米国・イスラエルと戦闘状態にあるイランが、世界の原油輸送量の20%が通過するホルムズ海峡を封鎖したため、近隣の産油国の輸出には支障が出ているが、イランの石油輸出量は昨年とほぼ同じであることが明らかになった。
米CNNは「ホルムズ海峡が事実上封鎖されたことにより、ペルシャ湾諸国のほとんどで原油と天然ガスの輸出に莫大(ばくだい)な支障が出ている。しかしイランは戦闘前と同程度の量の石油を海峡経由で輸送しており、経済と戦闘遂行に必要な資金を稼ぎ続けている」と16日に報道した。
海事データ分析会社「Kpler(ケプラー)」は、先月28日に戦闘状態が始まって以降、イランは原油1200万バレルを輸出したと推定している。船舶の海上追跡を行う「タンカートラッカーズ」は先週半ばの時点で戦闘開始以降のイランの原油輸出量を1370万バレルと推定した。
この推定値通りなら、イランは一日あたり100万バレルの原油を輸出していることになる。これは昨年の一日平均169万バレルと大差ないという見方だ。
CNNは「米国がイランを攻撃する前、『主要石油生産国であるイランが自国の石油輸出がストップするのを恐れてホルムズ海峡閉鎖をためらうだろう』と仮定していたなら、米国は見込み違いだった」と述べた。
米国は現在まで、イランの石油インフラを攻撃したり、タンカーを阻止したりする試みは行っていない。これまでにテヘラン近郊の石油貯蔵庫を空爆してきたのはイスラエルだ。米軍は今月14日、イランの中核的な原油輸出基地カーグ島(ハールク島)を攻撃した際、軍事目標のみを集中攻撃し、石油インフラには手を出さなかった。空爆後もカーグ島の石油インフラは稼働しており、衛星写真による解析の結果、貯蔵タンク55基はすべてに異常がないことが確認された。イランのタンカー2隻が原油270万バレルを積載している状況も確認された。
データ会社が把握しているよりも多くのイランのタンカーが実際にはカーグ島から石油を積んで出発した可能性も指摘されている。イランをはじめホルムズ海峡を通過する船舶は最近、位置発信装置をオフにしたり、偽の位置情報を発信したりしているため、把握されていない船舶が存在する可能性があるということだ。これに加え、既にイラン産石油を積んで出航したタンカーに積まれていた量は1億7000万バレルに達するという推測もある。