昨年3月、ソウル市の高校に通う一人の生徒が、学校でいじめを受けたと申告した。女性生徒Aから1年以上「ちょっと化粧したらいいのに。すっぴんだとブサイク」などと容姿をからかわれたということだった。届け出を受けた管轄の教育支援庁は、学校暴力(いじめ)対策審議委員会を開催し、女子生徒Aに「奉仕活動4時間」の懲戒処分を下した。これに対し、女子生徒A側は「ふざけ合っていたときに、被害生徒の方が先に『背が低くて小学生みたい』と言ってきたので、言い返しただけ」として、ソウル行政法院(裁判所)に懲戒処分取り消しを求める訴訟を起こした。昨年12月に行われた裁判では「不適切な発言であることは明らかだが、相手の気持ちを傷つけたからといってこれを全ていじめと判断するのは控えるべき」として、女子生徒Aに対する懲戒処分の取り消しを命じた。
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このように、小・中・高校で児童・生徒間のトラブルが法廷闘争に発展するケースが増えていることを受け、ソウル行政法院は先月23日、裁判官の定期人事に合わせ、学校での暴力・いじめ事件を専門に担当する裁判部を従来の2カ所から4カ所(行政1・2・3・5単独)に増やした。行政法院は2023年2月、学校暴力・いじめ専門の裁判部を新設し、今年初めまで2カ所を運営してきたが、今後は倍に増やして対応を強化する。
行政法院が受理したソウル市地域の学校暴力・いじめ関連の訴訟は2022年の51件から23年は71件、24年は98件、25年には134件へと年々増えている。教諭が仲裁しても和解できないケースや、教育庁(教育委員会)の審議委員会の決定に承服できない側が法廷闘争に持ち込むケースが増えているのだ。行政法院の関係者は「23年に政府が、26年度の大学入試からいじめ関連の履歴の内申書記載を義務付けることを決め、一部の大学が政府の対応に先駆けて25年度一般入試にこの件を適用したことから、関連の訴訟が増えている」と説明した。
行政法院は、増加する学校暴力・いじめ事件の審理を強化するために、専門の裁判部に法曹経歴20年以上の部長判事4人を投入した。4人とも行政事件を多数審理した経験がある上、小学生以上の子どもを育てているため、学校での暴力・いじめ事件をよく理解しているという。女性裁判官も1人配置した。行政法院の関係者は「加害者・被害者の性別などを考慮した」と説明した。