A少領は監査院に「空軍の命令を再検討してほしい」と請求した。A少領は、自分の未熟な操縦で衝突事故が起きたことは間違いないとして過失を認めつつも、自分は「会計関係職員」ではないので弁償責任を負わない、と主張した。自分の戦闘機を逆さまにして編隊長機の上方へと機動することについて、編隊長は暗黙の内に同意していた、とも主張した。
監査院は「会計職員責任法は『物品使用公務員』も会計関係職員に含めると定めており、操縦士は戦闘機を操縦している間は物品使用公務員に該当する」と指摘した。また、A少領が編隊長から機動の承認を受けず、他の操縦士たちも「A少領の機動はあまりに急激だった」と証言したとして、暗黙の同意を受けた機動であるというA少領の主張を受け入れなかった。
それでも監査院は、A少領が支払うべき金額を10分の1の8787万ウォン(約950万円)に減らした。監査院は「事件関係者が、この件のほかにも飛行中に撮影をしたケースがあったと証言しており、事前のブリーフィングでA少領が『飛行中に撮影したい』と説明し、これに対して暗黙の同意があったものとみられる」という点を理由に挙げた。また、操縦士たちが飛行中に私的な目的で記念撮影をする慣行を規制しなかった空軍の責任もある、とみた。さらに監査院は「急迫した状況において本人が飛行を指揮しつつ、基地へ安全に帰投してさらなる被害がなかったこと。2010年の任官後、戦闘機の操縦士として長期間服務しながら戦闘機を安全に管理し、試験飛行などを通して戦闘機の効率的な維持補修などに寄与したこと。こうした点も総合的に考慮した」とも明かした。
韓国空軍は、この事件を4年以上も外部に公開していなかった。この事件は、A少領が監査院に弁償命令に対する判定を請求したことに伴って、22日に監査院の報告書で公にされた。ただし監査院は、どの機種の事故だったか、事故が起きた部隊はどこだったかについては「国家安保に関する事項」だとして公開しなかった。
キム・ギョンピル記者