韓米関係の亀裂、尋常ではない【寄稿】

中国けん制は米国に任せておきながら…
謝罪を要求した国防部、再三信頼を損なう統一部
内輪もめ状態の外交・安保、これで原子力協力を期待するのか
大統領が規律を正すべき

 李在明(イ・ジェミョン)政権の外交・安保政策は内輪もめ状態に陥っており、韓米関係には尋常ではない気流が流れている。スタートは順調で、総論的な枠組みや方向性には非の打ち所がなかった。北朝鮮の核能力高度化や、北・露・中の3者間戦略적的緊密化が、大韓民国安保と東アジア平和へ深刻な挑戦として迫る現実。こうした中、韓米日の安保協力強化へ賭けた判断は賢明だった。李大統領がワシントン訪問前に東京を訪れた判断も、韓日関係悪化を懸念する米国を安心させる一方、韓米同盟の土台を固める妙手となった。

 ところが、時が経つにつれ、安保チーム内では大枠の政策目標や国益に反する突拍子もない動きが続いている。代表的な事例は、今年2月中旬、在韓米軍の戦闘機10機余りが西海(黄海)上空で訓練中に中国戦闘機と対峙する事態が発生したことに対し、韓国国防部が在韓米軍に抗議した件だ。当時ワシントン現地で感じられた米国防総省の激昂した雰囲気から見て、米国が受けた傷はそう簡単には癒えないだろう。米国の政界や学界には、韓国の進歩陣営の一部に見られる親中傾向への懸念とともに、米中間の戦略的競争において韓国が同盟側に立つのかという根深い疑念が残っている。この事件は米国の疑念をさらに強め、同盟国としての韓国に対する信頼を損なったという点に問題がある。

 中国はこれまで、韓中両国の排他的経済水域が重なる暫定措置水域(PMZ)に禁止された構造物を設置し、中国軍艦が韓国海軍の作戦海域を頻繁に侵犯するなど、西海を事実上中国の内海にしようとする試みを続けてきた。それにもかかわらず、韓国海・空軍と海洋警察はそれに見合った対応をせず、傍観してきた。このような状況下で、中国の西海侵犯を牽制するために必要な訓練を米国が代行してくれたのであれば、韓国政府は当然感謝すべきことである。ところが、逆にこれに抗議して謝罪を要求したのであれば、米国の立場からすれば呆れるばかりだろう。

 この事件に先立ち、統一部が民間人による非武装地帯立ち入り承認権を主張し、与党一部で「DMZ法」制定を推進。これにより、国連軍司令部と正面衝突する茶番劇が起きた。休戦協定第1条第8項によれば、いかなる者も国連軍司令官の承認なしには、同司令官の軍事的統制下にある南側の非武装地帯に入ることはできないことになっている。軍事境界線(MDL)の南側にあるDMZに対する主権は当然ながら韓国が有しているが、休戦協定によって軍事的統制権を国連軍司令官に付与したのだ。過去73年間、韓半島の平和維持の基盤となってきた休戦体制に、今すぐ修正すべき大きな問題があるわけでもない。それにもかかわらず、あたかも国連軍が韓半島の平和と南北関係の改善を阻む元凶であるかのように敵視し、何の問題もないDMZの現状を変更して、一体何を得ようというのか。

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