米本土から目と鼻の先に盗聴アンテナ、中・露がキューバで対米情報戦を強化

中国3カ所・ロシア2カ所…キューバ国内で盗聴基地を運営

 中国とロシアが、キューバを拠点に対米情報戦を強化していることが分かった。米ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は23日、「中国とロシアが対米情報収集のため、キューバ国内の盗聴施設に投資し、関連人員を2023年以降、約3倍に増やした」と報じた。米政府はキューバが単なる反米国家にとどまらず、中国・ロシアの戦略的前進基地の役割も果たしていると認識している。

 米国が最近、キューバに対する圧力を強めているのもこうした背景と無関係ではないとの分析が出ている。最近、米政府はキューバ共産革命の第一世代で、事実上の黒幕と評価されるラウル・カストロ(95)元国家評議会議長を殺人などの容疑で起訴し、中国・ロシアの対米情報収集活動に対する警告の度合いも引き上げている。

■中・露情報戦の前哨基地・キューバ

 米情報当局によると、キューバ国内の電子傍受(SIGINT)基地18カ所のうち、中国が3カ所、ロシアが2カ所を直接運営している。一部はキューバと共同で運営しているという。中国とロシアは、収集した情報の一部をキューバ政府とも共有していると伝えられている。

 中国がキューバを対米情報戦の拠点として活用しているという懸念は、最近、米政府や学界を中心に絶えず示されてきた。米シンクタンクCSIS(戦略国際問題研究所)は2024年、キューバ国内のスパイ基地に関する報告書を発表した。その中で、「グローバルな情報収集能力を拡大しようとする野心が、中国を米国の玄関口へと導いた」とし、「キューバは中国領土内からはアクセスできない重要な情報を覗き見る窓を開くことになるだろう」と警告した。2023年には、中国政府がキューバに電子盗聴施設を設立する見返りとして、数十億ドルを支援する方針だという報道も出た。

■米本土から145kmの距離

 中国とロシアがキューバに力を注ぐ理由は、米国との物理的な距離が極めて近いからだ。米フロリダ州最南端キーウェストからキューバの首都ハバナまでの距離は約90マイル(145km)。ソウルから大田までの距離とほぼ同じである。特にフロリダを中心とした米南東部の海岸には、主要な軍事施設や戦略資産が密集している。ドナルド・トランプ大統領のマララゴ・リゾートはもちろん、フロリダ州タンパには中東・中央アジア作戦を統括する米中央軍司令部が置かれている。マイアミ近郊には中南米とカリブ海地域を担当する米南方軍司令部も置かれている。

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