きょう(6月8日)記者会見を行う李在明(イ・ジェミョン)大統領に申し上げる。言葉は簡潔で端正であってほしい。言葉の巧みさを控え、粗野な言葉は慎んでほしい。これまで大統領の発言は品位の下限ラインを行き来することがあった。スターバックスのイベントをめぐる論争で、大統領は「低俗な商人」「非人間的な破天荒な振る舞い」「人間の仮面」といった過激な表現を用いた。言葉も力を抜いて発しなければ遠くまで届かない。相手を批判するときは謙虚でなければならない。
大統領の投票呼び掛けは度を越していた。「投票を放棄することは(中略)共同体を害する彼らを擁護することだ」と述べた。誰の名を挙げたわけではないが「共同体を害する」というのは恐ろしい言葉だ。一歩踏み込めば「反国家勢力」になってしまうからだ。6月6日の顕忠日追悼演説でも、大統領は「共同体」という言葉を6回使った。「共同体を裏切った者たちを断罪」といった表現だ。この言葉は「親日反民族行為者が不当に蓄積した財産」といった表現へとつながった。大統領は就任演説の時から「大同世上(誰もが公平に暮らせる大同社会)」「共同体」を強調しており、最近では「略奪金融」という言葉も使っているが、学生運動圏コンプレックス(編注:1980年代の民主化運動に消極的だったことへの負い目)と誤解されやすい。
大統領は5月31日、「投票放棄は(中略)国民を欺き、私利のために権力を濫用して自分自身と家族の生活を台なしにする者たちに機会を与えることだ」と述べた。こみ上げる怒りを抑えたような口調だったが、論理構成が支離滅裂だ。今日「私利を貪り」「権力を濫用」できるのは与党勢力だ。権力があってこそ濫用したり、しなかったりできるのではないか。
大統領はプラトンを引用したと言いながら、「政治への無関心の代償は最悪の低俗な者たちに支配されることだ」と述べた。一瞬呆気にとられた。味方なら善良で、反対派は最悪の低俗者なのか。まるで内部の敵を想定しているかのように感情的だった。分断工作をして「政治的火花」を散らす手口は、大統領に似つかわしくない。