最近オンライン上で、23年前に放映されたシチュエーションコメディで1株460ウォン(現在のレートで約48円。以下同じ)のハイニックスの株価表示を見つめるシーンが話題になった。「あのとき買っておくべきだった」「100万ウォン(約10万円)分だけでも買っておけばよかった」といったコメントが相次いだ。今や1株291万7000ウォン(約30万6000円)、時価総額2078兆ウォン(約218兆円)を超えるSKハイニックスも、一時はポケットの中でジャラジャラと鳴る「コイン」のような身の上だったことがある。2003年3月26日、不渡りの危機に瀕するなかで株価は135ウォン(約14円)まで急落した。もし当時、誰かが135万ウォン(約14万円)でハイニックス株1万株を買っていたらどうなっていただろうか。「21対1の減資」を考慮しても13億7100万ウォン(約1億4400万円)に達していた計算になる。約1000倍のリターンだ。
【写真】SKハイニックス 韓国総合株価指数の時価総額1位に躍進
2010年の破産で株価が1円まで暴落した日本航空が、「経営の神様」と呼ばれた稲盛和夫の采配を経て、1株2700円へと復活を遂げた伝説もある。米国の半導体企業AMDもまた、2015年に株価が1ドル台まで落ちて上場廃止の危機に追い込まれたが、リサ・スーCEO(最高経営責任者)の指揮下で一新。1株500ドル(約8万1000円)を超える人工知能(AI)チップの強者へと上り詰めた。株価が1000ウォン(約105円)未満の、いわゆる「コイン株」時代は、過酷な暗黒期であると同時に、ごく少数の企業にとっては大逆転の奇跡を許す冷徹な試練の場でもあった。
米国ニューヨーク証券取引所やナスダックでは、株価が1ドル未満の「ペニーストック」状態が30取引日連続で続くと上場廃止の警告書が送られ、180日間の猶予期間中にも株価が反発しなければ市場から追放される。日本の東京証券取引所や欧州市場もまた、株価そのものの代わりに「最小時価総額要件」や「流通株式比率」といった物差しを用いて、体力の伴わない企業の生命線を断ってきた。市場の透明性と信頼度を維持するためだ。
韓国国内の株式市場でも、来月1日から株価が30取引日連続で1000ウォン未満となった場合、直ちに管理銘柄に指定し、その後90取引日の猶予期間中にも1000ウォン台を回復できなければ上場廃止とする制度を施行する。25日の終値時点で、韓国国内のコイン株はKOSPI48社、KOSDAQ173社の計221社に上る。現在、最も安値をつけているコイン株は整理ポスト中のノーブルM&Bで、1株13ウォンだ。
コイン株はかつて、一般の市民にとって、わずか数万ウォン(1万ウォン=約1050円)で小遣い稼ぎができ、時には明日の大逆転を夢見る「宝くじ」のような役割も果たしてきた。しかしハイニックスやAMDが起こした奇跡は、単なる僥倖(ぎょうこう)ではなく、血の滲むような革新がもたらした成果だった。努力を怠り、小細工で延命しながら市場の環境を濁らせる不健全な「ゾンビ企業」を淘汰するためにも、コイン株の市場追放制度は避けて通れない陣痛だ。そのプロセスを経て健全化した市場の土壌の上から、歴史に名を残す「第2のハイニックス」が誕生することを期待したい。