歴史歪曲やヘイト発言も「味方か敵か」が基準なのか【7月7日付社説】

 培材高校の選手らによる「スターバックス応援」問題と重懲戒の後も、5・18(光州事件)へのヘイト発言や表現の自由を巡る問題が拡大している。首相級の李炳泰(イ・ビョンテ)規制合理化委員会副委員長が「5・18が聖域化された」と批判すると、6日に青瓦台(韓国大統領府)は「事案が厳重だ」として辞任を勧告した。李副委員長はその直後、「政治的な敏感さを適切に省みることができなかった私の不手際だ」として辞任した。培材高校の選手や保護者、教職員ら86人は同日、光州第一高校を訪れて謝罪した。

【写真】5月の英霊を追悼する光州一高・培材高の野球部

 進歩(革新)系野党「祖国革新党」の曺国(チョ・グク)前代表は、一部アイドルの口調まで問題視して「盧武鉉(ノ・ムヒョン)元大統領を卑下する発言だ」と主張した。彼は、あるウェブトゥーンの「5分23秒」の場面を巡り、「盧元大統領の命日である5月23日を連想させるものではないか」と述べた。保守系野党側は「今や口調や漫画の内容にまでいちゃもんをつけて、思想検証をしようとしている」として、表現の自由の侵害だと批判した。

 地域・階層・性別に対するヘイトおよび差別発言は批判されるべきだ。しかし、スターバックスの「タンクデー」論争や培材高校の事件を見て2030世代(20代・30代の青年層)が進歩陣営に反感を持つのは、ヘイトや差別発言の基準が恣意(しい)的だからだ。進歩系の与党「共に民主党」とその陣営は、自分たちが行うヘイトや卑下発言は問題にしない一方で、相手陣営に対してばかり厳格な基準を適用している。

 教育相は過去に「天安艦陰謀論」の記事をシェアして勇士や遺族らを侮辱し、朴正煕(パク・チョンヒ)元大統領の命日を、銃声を揶揄して「タンタン節」と言い表した。彼は問題発言があったにもかかわらず、国会の聴聞会を経て閣僚に任命された。民主党が輩出した元大統領に対してこのような暴言を吐いていたなら、民主党がどのような反応を示したかは火を見るより明らかだ。

 5・18の「タンクデー」イベントを問題視した人々は、親与党派のユーチューバーが「イルベ(日刊ベスト貯蔵所。右派とされるインターネット・コミュニティー・サイト)はオンライン上でタンク(戦車)で押しつぶしてしまわなければならない」と言ったことは問題にしなかった。「スターバックス応援」に加わった高校の選手たちは、大学入試やプロ野球入団にまで不利益を被る重い処分を受けた。しかし、5・18を侮辱したユーチューバーは、自分たちの味方だからという理由で形式的な謝罪をしただけで、配信を続けている。スターバックスの「タンクデュオセット」の21%という割引率が戒厳軍の発砲日である5月21日を連想させるという「陰謀論」を主張した人々が、最近ある化粧品会社の「忘れないでおこう625%、浸透しよう、より深く」という広告は問題視しない(6・25=韓国戦争の開戦日)。

 表現の自由やヘイト・差別発言に該当するかどうかも、事実に依拠するのではなく「味方か否か」を基準に判断されている。自分の陣営には甘く、自分と意見が異なれば過酷な基準を適用する姿を見て、多くの2030世代が民主党の人々の偽善をあざ笑う理由はここにある。

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  • ▲5・18民主化運動を揶揄するような応援で物議をかもしたソウル培材高校の野球部員と生徒会長が7月6日、光州第一高校を訪れ、謝罪文を手渡している。/写真=キム・ヨングン記者

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