SKハイニックスが米国のナスダック市場に株式預託証書(ADR)を上場し、265億ドル(現在のレートで約4兆2900億円。以下同じ)を調達した。外国企業による米国証券市場での最高記録だった中国アリババの調達額(250億ドル=約4兆500億円)を上回った。公募価格も前日の韓国証券市場の終値より3%高い149ドル(約2万4100円)に決定した。通常、ADRの公募価格は原株より低く設定されるという慣例を破った。米国証券市場の歴史上初めてのことだ。グローバルな舞台で韓国の先端産業の技術力と将来価値が認められた快挙といえる。
今回の上場は、証券市場が企業の資金調達窓口という本来の機能を適切に果たした代表的な事例だ。ハイニックスは、調達した資金を竜仁半導体クラスターの構築など未来の先端設備投資に充てる計画だ。韓国の国家経済に及ぼす波及効果も大きい。公募資金の265億ドルは、2008年の金融危機当時の韓米通貨スワップ(300億ドル=約4兆8600億円)に匹敵する規模であり、1ドル=1500ウォン台を行き来していた外国為替市場にとって心強い安全弁となった。
グローバル資本をスポンジのように吸い上げて企業に資金を供給する米国証券市場とは異なり、本来なら韓国企業にとって心強い資金源となるべき韓国証券市場は、深刻な「資金枯渇」に苦しんでいる。今年第1四半期に国内証券市場に新規上場した企業は9社で、1年前(23社)に比べて61%急減した。既存の上場企業による有償増資も冷え込んでおり、資本調達の窓口という証券市場の機能は事実上、麻痺した状態だ。
韓国証券市場が本来の機能を果たせない根本的な原因は、企業の長期的な成長よりも短期的な差益に没頭する投機的な投資文化と、それをあおる政府の政策にある。政府は株式の供給が増えるのを防ぐために新規上場のハードルを上げ、有償増資を規制したとの批判を受けている。サムスン電子とハイニックスの株価を2倍追従するレバレッジETFの上場を主導し、韓国証券市場を乱高下が繰り返される不安定な市場にした側面がある。ハイニックスが韓国国内の証券市場で大規模な投資資金を調達しようとしていたならば、株価が暴落したか、あるいは当局の規制に阻まれて試みることすらできなかっただろう。
ハイニックスの成功は、逆説的に韓国証券市場への警告だ。証券市場が資金調達という本来の機能を喪失したまま投機場のように放置されるなら、より多くの優良企業が韓国を離れ、海外の証券市場へと足を向けることになるだろう。韓国政府は過度な上場・増資規制を果敢に撤廃して企業が必要な時に資金を調達できるようにし、短期売買ではなく長期投資が優遇される税制・制度改革によって証券市場の体質を改善しなければならない。
ハイニックスの成功は、逆説的に韓国証券市場への警告だ。証券市場が資金調達という本来の機能を喪失したまま投機場のように放置されるなら、より多くの優良企業が韓国を離れ、海外の証券市場へと足を向けることになるだろう。韓国政府は過度な上場・増資規制を果敢に撤廃して企業が必要な時に資金を調達できるようにし、短期売買ではなく長期投資が優遇される税制・制度改革によって証券市場の体質を改善しなければならない。