東京をはじめ首都圏一帯で日中の最高気温が32度まで達した26日の午前9時。徳仁天皇の最初の国賓として25日に訪日したドナルド・トランプ米大統領を乗せた大統領専用ヘリコプター「マリーンワン」が千葉県内のゴルフ場のフェアウェーに着陸した。先に到着していた安倍晋三首相はヘリコプターの前まで歩いて行き、笑顔でトランプ大統領を出迎えた。日本はこの日、今年に入って最も暑くなった上、前日には千葉県内で最大震度5弱の地震が発生したが、両首脳の「ブロマンス」(brother + romance・男の友情)によるゴルフを妨げることはできなかった。

 両首脳間の会談は今回で11回目、ゴルフは5回目だった。2人はゴルフを始める前に「日米同盟をより強く」と書かれたパネルにサインした後、記念写真を撮った。ラウンドの合間に安倍首相は自らカートを運転した。両首脳はじっと立っているのもつらいほどの暑さの中、ヘリコプター発着用に閉鎖された2ホールを除く16ホールを3時間かけてすべて回った。

 トランプ大統領は「ゴルフ会談」に満足したかのように、プレーが終わるやいなやツイッターに「日本との貿易交渉で大きな前進があった。(中略)日本の7月の(参院)選挙が終わるのを待って、大きな数字(での合意)を期待する」と安倍首相を思いやるツイートを掲載した。日米貿易交渉が7月の参議院選挙を控えている安倍首相にとって不利に働く可能性があるので、選挙後に交渉するという見解を明らかにしたものだ。安倍首相もツイッターに 「新しい令和の時代も日米同盟をさらに揺るぎないものとしていきたい」とトランプ大統領と一緒に満面の笑みを浮かべた自撮り写真を掲載した。

 両首脳は同日午後5時ごろ、令和になって初めての大相撲場所で再会した。トランプ大統領が現職の米国大統領としては初めて、夏場所(5月の相撲大会)千秋楽が行われた東京・両国国技館に入ると、観客たちは総立ちとなって歓声を上げた。観客たちは約3分間、立ったままとなり、スマートフォンで写真を撮っていたため、主催者側が「競技進行のために座ってください」と放送しなければならなくなったほどだった。両首脳夫妻は土俵に近い特別席「升席」に高級ソファを置いて観戦した。本来、座布団を敷いて観戦するのが相撲の伝統だが、日本側はトランプ大統領のために伝統を破ったのだ。

 すべての取組が終わると、トランプ大統領は土俵に上がった。そして、夏場所の優勝者・朝乃山の名前を呼ぶと、国技館には再び歓声が巻き起こった。トランプ大統領は朝乃山を「相撲グランドチャンピオン」と呼び、米国で特注により製作してきた「米日友好のためのトランプ杯」を贈った。高さ137センチメートル、重さ30キログラムという大型の銀色のトロフィー上部には米国を象徴するハクトウワシのオブジェがあった。大統領は土俵を神聖視する日本の相撲伝統に基づき、靴ではなく黒いスリッパに履き替えて土俵に上がった。

 続いて両首脳が向かったのは、客の目の前で料理長が自ら食材を焼いてくれる東京・六本木の炉端焼き店「田舎家 東店」だった。トランプ大統領はこの店で記者たちに「今日は貿易や軍事問題について安倍首相と話した」と明らかにし、北朝鮮問題や日米軍事同盟問題が主要な会談テーマだったことを示唆した。日本の警察は両首脳が入った店の周囲5車線を全面通行止めにし、店の前には長さ30メートル、高さ3メートルの大型テントを設置した。

 夕食は午後8時ごろ終わった。両首脳は同日朝から夜まで11時間を共に過ごし、3食を共にした。このような両首脳の密着ぶりは、これまでよりも一層強まった日米同盟を象徴的に現しているものと受け止められている。

 トランプ大統領は今回の国賓訪問を終えて帰国した後、来月の主要20カ国・地域首脳会談(G20サミット)時に再び日本を訪れる。その際はインドのまで含めた日米印3カ国首脳会談も別途行う予定だ。ホワイトハウスのホーガン・ギドリー副報道官は25日(現地時間)、「G20サミットで米国とインド、日本は3者会談を行い、『自由で開かれたインド太平洋』のための共有ビジョンを追求していくだろう」と明らかにした。

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