聖水大橋崩落事故から20年、今も絶えない崩落・転落事故

ソウルでは道路の穴による交通事故が1日1件の割合で発生
各種の転落事故は1年に1万件以上、「急がれる身近な安全点検」
足元の安全は!?…「一歩外に出れば不安」
ここ10年間でソウルだけで道路の穴が50万カ所も発生
全国で発生したエレベーターの事故も20年前の約6倍に
法規制だけでは足りず…地域に根差した対策作りで市民の安全意識の向上に

 シンクホールは幸い浅く、イさんは大事には至らなかった。しかし、その後は散歩に出掛けるのが恐ろしくなったという。今年8月22日にミニバンを運転し、ソウル市瑞草区教大駅近くの瑞草大路を走行していたAさんは、突然前が真っ暗になる体験をした。道路の真ん中が陥没しミニバンのタイヤが穴に落ちてしまったのだ。シンクホールの大きさは、横1.8メートル、縦1.3メートル、深さ1.5メートルだった。Aさんも幸い命に別状はなかったが、その日以降、やはりハンドルを握るのが恐ろしくなったという。

 昨年10月、京畿道金浦市の国道48号線では、仁川の警察署に勤める警官(45)が運転していた乗用車が道路上のポットホールを避けることができず、そのまま中央分離帯に衝突した。この事故で警官は死亡した。

 シンクホールとポットホール(道路に空いた小さい穴)は、ここ10年でソウルに49万5636カ所も発生した。さらにこれによる交通事故は2106件に上った。1日1件の割合で事故が発生している計算になる。特にシンクホールの発生件数は2010年の435件から昨年には854件に急増した。最近、簡易投稿サイト「ツイッター」上では「シンクホールから換気口まで足元に気を付けなければならない不安なご時世だから、最近のキーワードは『緊張しろ、みんな!』で決まり」といった書き込みが幅を利かせている。

 足元が危ないのは室内空間も同様だ。会社員のペさん(25)は昨夏以降、古い建物を訪れた場合はエレベーターではなく階段を利用する。今年8月、ソウル市江西区の15階建てのマンションで転落の恐怖を味わったからだ。停止したエレベーターに閉じこめられていた間、ペさんは床が外れはしないかと冷や汗をかいた。ぺさんは「転落事故のニュースが多かったためか、エレベーターがそのまま落ちてしまうのではないかと心配になった」と当時の様子を振り返った。今年9月には、光州広域市のマンションで主婦Cさん(48)が12階からエレベーターホールに転落して死亡した。12階に到着したCさんが足を踏み出した瞬間、エレベーターが突然上昇してしまい、Cさんはそのまま地下に転落したのだ。Cさんの命を奪ったエレベーターは事故当日、安全点検を受けたばかりだった。

イ・ジウン記者
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