【寄稿】韓国のDNAに刻まれた中国への片思い

 7世紀の3国(高句麗・百済・新羅)の統一は、21世紀の南北統一と韓中関係の道を暗示するモデルだ。国際政治的な現実主義によって歴史的なビジョンを示してこそ、統一への道が開かれる。政治的な現実主義の基本的な前提は、帝国・中国が韓半島の運命の瞬間に武力介入するのが常だったという事実だ。7世紀に続き、16世紀の壬辰倭乱(じんしんわらん、文禄・慶長の役)、17世紀の丙子胡乱(清が朝鮮に侵入し制圧した戦い)、19世紀の日清戦争、20世紀の6・25戦争が代表的な事例だ。だが、高句麗と百済が滅亡した後、韓半島全体を支配しようとした唐の思惑に対し、新羅は全く異なる対応を見せた。柔軟な外交と、決然とした戦争によって、韓国史の決定的な瞬間をつくり出した。唐を武力で追い出した新羅の力量に加え、吐蕃(現在のチベットにあった王国)の北方侵攻という幸運も重なり、史上最強とされた唐帝国も統一新羅を認めざるを得なくなった。

 もちろん、現代は過去とは違うが、弱肉強食の無法状態としての国際政治と歴史の本質は変わることはなかった。米国であれ中国であれ、大国への片想いによって韓国の国家としての戦略を打ち立てるというのは非常に危険な行為だ。中国の戦略に対しては、戦略をもって対処しなければならないからだ。中国への片想いというDNAを払いのけてこそ、韓国は初めて大人扱いされる。南北統一は韓国の現代史で最大の決定的な瞬間となる。南北統一は韓国現代史で最大の決定的瞬間となる。真の意味で大人になった韓国だけだ、ようやく統一という偉業を成し遂げることになる。

ユン・ピョンジュン韓神大学教授(政治哲学)
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