先進国を参考「生存水泳」授業、韓国の全小学校で実施へ

事故に備えた実技授業 2018年までに全国拡大

先進国を参考「生存水泳」授業、韓国の全小学校で実施へ

 16日午後、ソウル市松坡区の蚕室学生プール。バタフライを軽くこなす子から、足が届く場所で息継ぎ練習をする子まで、水泳レッスンが盛んに行われている。近くにある方山小学校の3年生が体育の授業で同プールの水泳インストラクターにレベル別指導を受けていた。指導の合間には「エアーマット乗りゲーム」などもあり、水を怖がる子どもたちも思わす歓声を上げた。

 このように、2018年までに韓国の全小学校で3-6年生が授業として水泳を学ぶことになった。本で泳ぎ方を学ぶ理論ばかりの授業ではなく、実際に水に入って浮かび、進んでいくことを習う実技授業だ。米国やドイツといった先進国のように、健康のためだけでなく水遊び時の安全性、ひいては命を守る方法につなげるため水泳を指導するもの。教育部(省に相当)は17日に発表した「学校体育・芸術教育強化支援計画」で、「水泳実技教育を来年から本格的に実施、2018年までに小学校3-6年生全員(現在178万人)を対象に拡大していく」と明らかにした。

■先進国同様「生存水泳」を指導

 教育当局は、水泳指導の中でも特に「生存水泳」を強調していく方針だ。貨客船セウォル号沈没事故をはじめとする水難事故があったことから、万一に備えて命を守る力を育てるようにするというもの。おぼれても水の上に顔を出して息ができるようにする「自己救助法」や、危険に陥った友だちを救う「基本救助法」などを教育する。

 韓国では12年にソウルなど一部地域では小学校3年生を対象に水泳指導をしている。だが、主要先進国ではかなり前から水泳の授業が義務付けられている。

 例えば、日本では1955年に修学旅行中の小学生ら168人が紫雲丸事故で死亡したのを受け、すべての小学校で水泳の授業が強化された。2009年からは「Can You Swim?」という水泳プロジェクトを拡大している。英国では小学校の全学年に水泳を教え、少なくとも25メートルはきちんと泳げるようにする。フランスも「6分間泳ぎ続ける」など具体的な教育達成基準を設けて小中学校の水泳教育を実施、スウェーデンでは服を着たまま一定の距離を泳ぐ「着衣水泳」能力もテストする。教育部関係者は「水泳は危機的な状況に対処できる能力を養うためにも重要なので、主要先進国では『必修科目』として教えている」と語った。

金成謨(キム・ソンモ)記者 , チョン・ギョンファ記者
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