ハゲを理由に不採用は「雇用差別」=韓国国家人権委

 韓国の国家人権委員会は6日、「はげ頭という理由で採用を拒否するのは平等権を侵害する差別行為」と主張した。これをめぐり、ネット上では「はげ頭であろうがなかろうが、仕事さえうまくやってくれれば、それでいい」「脱毛の場合、企業が採用しないのは公然とした事実だが、直接理由を言わないため、抗議するすべがない」などといった書き込みがアップされている。

 機械技師のチェさんは、2015年8月に採用サイトで「建物の冷・暖房機器を管理する従業員を採用する」との募集広告を見て、A社に志願した。面接の際に人事チームのチーム長に「居住地が会社の近くでないと、勤務は難しい」と言われたため、会社近くにアパートを借りて引っ越した。しかし、数日後、会社に出向くと、人事チーム長はチェさんに不採用の旨を告げた。理由を聞くと「現場の所長に詳細を話したところ、『はげは駄目だ』と言われたからだ」という。チェさんは「はげだからと言ってボイラーを稼働させられないわけでもないのに、本当にばかげている」と、人権委に申し立てた。

 A社は「面接結果、技術力が十分でなく、顧客との接し方や対人関係の面で難ありと判断し、採用しなかった」と説明した。2次面接当時、会社側は親切さ、外見、服装が技術にも増して重要であることを説明し、チェさんは「ビルに入居した取引先の社員と常に会わなければならない。場合によっては、かつらを使うこともあり得るが大丈夫か」と問われた。これに対し、チェさんは「無理だ」と断ったという。不採用が知らされた後、チェさんが「すでに契約したアパートはどうするのか」と抗議すると、会社は近くにある同業他社にチェさんの働き口をあっせんした。

 人権委は「人事チームのチーム長が他の施設管理業者にチェさんを推薦した点などからすると、条件に合わなかったため採用しなかったというA社の主張は受け入れがたい。外見を理由に採用で不利益を与えたものと思われる」と説明した。

 しかし、ネット上では「人を相手にするサービス業で外見を見るのは理解できる」「能力の検証なしに外見だけで不採用とするのは不合理」といった意見が相次いだ。

 国家人権委員会法は「合理的な理由もなく、年齢や外見などを理由に特定の人物を採用しないのは、平等権を侵害した差別行為に相当する」と明記している。

ソン・ユジン記者
<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c) Chosunonline.com>
あわせて読みたい