このように東京都心の再生・復活は、日本経済が長期不況を経てどれだけ変わり、どれだけ強くなったかを見せてくれる。日本のタクシー運転手・新聞記者・飲食店主らは一様に「数年前まで見るところも遊ぶところもなかったのに…隔世の感がある」と言う。
専門家らは「2002年に小泉純一郎首相=当時=が都心復活の呼び水を用意した」と話す。小泉氏は思い切って都心の主要地域の高度制限をなくし、容積率を2倍(1000%→2000%)に引き上げたのだ。それをきっかけに三菱地所を中心に民間企業が東京都と力を合わせて再開発の大きな構想を練った。
その後、2012年に安倍晋三首相が再び政権を執るまで、政権与党は2回、首相は7回変わった。しかし、どの党が政権を執ろうが、首相が誰になろうが都心再生事業は原則通り行われた。日本の景気が復活し、外国人観光客が増えて大きな成果が挙がった。規制改革・観光政策・インフラ整備が合わさって新たに誕生した「東京ミッドタウン日比谷」でも、三菱地所が投入した警備ロボットの前でも、自撮りしたりお金を使ったりして楽しむ人々には、日本人客と同じくらい韓国人・中国人・西洋人客が多かった。