孫氏はある雑誌の「最も影響力があるジャーナリスト」で15年連続でトップになった。ところが、駐車場事件以降、「うさんくさい人物」というイメージが加わり、ついには倫理に反する犯罪者と関わり、その関係者と放送局のオフィスで会っていた。いったい何を隠そうとそんな連中と裏取引をしたのか知りたい。サムスン陰謀論でそうした疑問が解けると思ったのだろうか。孫氏に「最も影響力があるジャーナリスト」として1票を投じた視聴者はどんな気分だろうか。
在野の運動家、張琪杓(チャン・ギピョ)氏は昨年、「孫社長は正義の象徴のように振る舞い、そう認識されることが多かっただけに、失望や憤怒、裏切られたという気持ちが強い」と述べた。孫氏は移籍後、最初にニュースキャスターを務めた際、仏ル・モンドの創業者の言葉を借り、「真実を、全ての真実を、ひたすら真実だけを話す。それができさえすれば、我々の体も心も軽くなる」と語った。国民が今、孫氏から聞きたいのは真実、全ての真実、ひたすら真実だけだ。
ハン・ヒョンウ論説委員