【寄稿】ペク・ソンヨプの最後の戦い

 戦後の政治的左派は依然として、1920年代日帝強占期の、実体も明らかでないその国に執着している。それは、厳密に言えば想像の中に存在する祖国だ。その後に「漢江の奇跡」を成し遂げて豊かな国を興した、韓国の実際の物語とは隔たりがある。そんな想像上の国家観を強要する過程で、彼らはありとあらゆる騒動を引き起こしている。友好的な貿易相手国・日本を悪魔に仕立て、世界最悪の国家である北朝鮮にはこの上なく親切にする。こんな価値観の中で生きていると、日帝強占期に日本軍所属だった朝鮮人は全員親日派であって、戦犯でもあり得る。となると、日本軍に徴集された朝鮮人は全員銃殺隊の前に立たせなければならない。

 今、韓国ではこうした二つの国家観が衝突している。韓国政府には、こうした論争を解消すべき義務がある。指導者ならば、韓国とはどういう国であって何が歴史的真実か、国民に説明して同意を求めなければならない。

 ある程度説明がなされたなら、今度は韓国国民が、韓国をあるがままに見つめなければならない。そして、本当に尊敬される軍人の一人を失ったという事実を受け入れるべきだ。ペク将軍の遺体を大田から国立ソウル顕忠院に移すという案も検討されれば、と思う。彼がそこで、本当に穏やかに眠れることを望む。

マイケル・ブリーン=ソウル外信記者クラブ元会長

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