「北朝鮮が3年前にICBMを発射した際、米国は核兵器80発の発射を検討」

ボブ・ウッドワード氏の新刊『RAGE(怒り)』に記載
当時は北朝鮮によるICBM発射で緊張が高まる

 また2017年8月29日、北朝鮮が発射したミサイルは日本の北海道上空を越えて太平洋に落下した。当時のマティス長官は北朝鮮に確実なメッセージを伝えるため、北朝鮮の港を実際に爆撃すべきか悩んだが、全面戦争を懸念して取りやめたという。17年9月4日、北朝鮮は6回目の核実験を行った。米国は9月23日、戦略爆撃機B1Bや戦闘機F15Cなど20機以上を東海の北方限界線(NLL)を越えて飛ばす武力示威を行った。このような中、トランプ大統領の衝動的な命令でマティス長官がさらに頭を痛めたこともウッドワード氏は伝えている。マティス長官は私的な席で「私はトランプ大統領が何を言ってもわれ関せずだった」「たまに行われるツイートを除けば、通常はいかなる指揮も受けなかった」と述べたという。

 トランプ大統領はウッドワード氏とのインタビューで、「北朝鮮と本当に戦争直前まで行ったと聞いているが」との質問に「その通りだ。みんなが知っているよりもはるかに近づいていた。本当に近かった」と話したという。ウッドワード氏が「北朝鮮がICBMを発射すればどうなっていたか」と尋ねると、トランプ大統領は「彼(金正恩氏)にはあまりにも大きな問題が生じると言っておく。誰も以前に経験したことのない大きくて大きな問題だ」と答えた。金正恩氏も2018年4月、当時米中央情報局(CIA)局長だったポンペオ国務長官が訪朝した際「われわれは本当に(戦争に)近づいていた」と語ったことをウッドワード氏は伝えている。

 一方でポンペオ国務長官は北朝鮮との複数回にわたる会談後「在韓米軍は中国に対する制約になるため、金正恩氏は引き続き駐屯することを望んでいる」との結論を下したとウッドワード氏は指摘した。米朝による複数回の会談や軍幹部ら同士の書簡において、金正恩氏は韓国に米軍が駐留することについては直接にも間接にも、また一度たりとも問題視していないというのだ。ウッドワード氏は「それはその地に米軍を置くべきもう一つの理由だった」と説明した。ウッドワード氏は金与正(キム・ヨジョン)氏が金正恩氏を「偉大な指導者」「最高指導者」と呼ぶ一方で、一回も「お兄さん」と呼んでいないことも伝えている。

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ワシントン=金真明(キム・ジンミョン)特派員
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