【寄稿】重病を患っている韓米同盟

韓米局長級実務協議体新設…長官級チャンネルあるのにまた立ち上げ
同盟間の意思疎通・信頼喪失の傍証…トランプ・文在寅両大統領に全責任
北朝鮮の代わりに米を平和の妨げだと言う執権層・運動圏の思考から抜け出さねば

 韓米間の不信が膨らんだのには、文在寅(ムン・ジェイン)政権の影響も少なからずある。韓米同盟と連合防衛体制に甚大な影響を与える事案を決定しながら、米国との事前協議をおろそかにすることで同盟に深い傷を残した。中国との「THAAD(終末高高度防衛ミサイル)三不合意」は国民5000万人の命と安全を守る自衛権を制限されるという恥辱だけで終わることではない。在韓米軍と有事の際、韓半島(朝鮮半島)で展開される米軍増援戦力が北朝鮮の核ミサイルの脅威に無防備にさらされれば、それだけ米国が防衛公約を守りにくくなるという原理に対する苦悶(くもん)がなかった。

 板門店宣言と南北軍事合意書で北朝鮮に対する監視偵察を制限することにより、北朝鮮の奇襲攻撃を容易にしただけでなく、敵対行為の範囲を陸海空すべての空間から軍事的「緊張」の根源となる一切の行動にまで拡大し、これを全面中止することにしたのも、米国の不信を招く自殺行為だった。韓米連合訓練を北朝鮮が敵対行為と規定し、これを非難する根拠を用意してやり、北朝鮮の挑発に対する連合防衛をより困難にする毒素条項に合意しながら、米国と協議しなかったのは同盟の精神に反する。

 第二は、同盟の性格と目標に対する同床異夢が同盟の根幹を揺るがしていることだ。李仁栄(イ・イニョン)統一部長官が今月2日、韓米関係を軍事同盟であり冷戦同盟だと規定した上で、平和同盟に転換できるという趣旨の主張をしたのは、政府の間違った同盟観の一端を示す事例だ。韓米同盟は北朝鮮の平和破壊を抑止し、抑止が失敗した場合は平和を取り戻すために存在してきたのだが、平和同盟に転換するというのは一体どういうことなのだろうか? 北朝鮮が核をあきらめなくても南北間交流協力や民族共助で完全かつ持続的な平和が可能だという自己欺まんや確証バイアスに政府がとらわれているなら、米国との同盟対話は的外れな答えにならざるを得ない。

■米国に対する好感度が高い国1位は韓国、日本は?

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