「分別なかった」という言い訳は通用しない…いじめで転落する韓国スポーツ界のスターたち

女子プロバレーボールのイ・ジェヨン、ダヨン姉妹 韓国代表資格はく奪
無期限出場停止も
「10年も前のことだから忘れようかとも思ったが…」
「12年過ぎた今からでも心から謝罪しろ」

■被害生徒たち「合宿所が暴力の温床」

 専門家らは「当分の間、被害の告白が相次ぐだろう」と見ている。韓国エリート・スポーツ界に暴力がまん延しているという事実は以前から知られていた。しかし、メディア環境が変わり、被害者たちの対応方式にも変化が出てきた。竜仁大学柔道学科のユン・ヒョン教授は「加害者がスポーツ界のスターになってメディアの注目を浴びると、被害者のトラウマ(心的外傷)がひどくなる」「以前と違い、最近はソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)に1行書くだけでも世間に広まる。最近は加害者の謝罪する姿を見て、別の種目でも被害者が同様のケースを暴露する可能性がある」と話す。

 合宿生活が選手間の暴力の温床になっているという批判もある。指導者も知らないうちに選手たちがたたいたり、洗濯・掃除などの雑務を強要したりして、暴力が代々続いているという指摘だ。イ・ジェヨン、ダヨン姉妹も合宿所内での被害が頻発した。男子バレーボールも同様だ。当時の被害について、被害者Eさんは「松林高校バレーボール部時代、3年生の先輩Fに『歌を歌え』と強要されたが、1年生の私が応じないと、Fは2年生の先輩(ソン・ミョングン選手)をたたいた。その先輩(ソン・ミョングン)は私の睾丸が破裂するほど暴行し、私は手術を受けた」と暴露した。

 国家人権委員会が2019年12月に発表した「学生選手人権侵害実態全数調査結果」によると、中学生の21.5%、高校生の23.7%が身体への暴力を経験したという。合宿の経験があると、暴力の被害者は約10ポイント増えた。被害者の証言の中には「先輩たちは合宿所で後輩をたたいてストレスを解消している」「圧倒的な実力を持つ『エース』がいじめをしたら、監督でも介入できない」という内容もあった。

 慶一大学スポーツ学科のチョン・ジギュ教授は「今回の事態を通じて、学校でのいじめや暴力は時効がない重罪であることを刻みつけ、社会全般の認識とシステム改善に導かなければならない」と強調した。

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ヤン・ジヘ記者 , キム・サンユン記者
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