米国ではLGエナジーソリューションとSKイノベーションによる電気自動車用バッテリー紛争がつい先日終わったばかりだが、その際バイデン大統領は「米国が強くて多角化した電気自動車用バッテリーのサプライチェーンを確保するに当たってプラスになるだろう」として歓迎の意向を示した。気候変動対策を進める政策に合わせて電気自動車産業の育成に力を入れてきたバイデン政権もこの争いを落ち着いて見ていられず、自ら直接動きだしたということだ。またこの言葉は米国の国益という観点からも最善の結果が引き出されたことを同時に意味する。トランプ前大統領による荒っぽい「アメリカ・ファースト」とは違ったバイデン式の緻密な「アメリカ・ファースト」だった。
2カ月前にバイデン大統領は半導体、バッテリー、レアアース、医薬品の四つの分野におけるサプライチェーンの問題点を100日かけて検討する行政命令に署名した。このような動きは「米国は特定の国の特定の商品にあまりにも依存し過ぎているのではないか」という懸念から始まった。サプライチェーンの問題点を把握し、その上で解決に向けて動きだすという意味だ。
この四つの分野におけるサプライチェーンの検討は韓国とも密接な関係がある。KOTRA(大韓貿易投資振興公社)が先日公表した報告書によると、2020年の時点で米国における半導体製造装置の輸入統計では韓国が占める割合は29.5%だった。2位の台湾は18.2%、3位の中国は13%だ。米国におけるリチウムバッテリー分野では韓国のシェアは19.4%で中国の43.4%に次ぐ2位だった。米国において韓国は半導体とバッテリー産業の主導権を持つ国だ。ホワイトハウスがこれらの企業から目を離せない理由はここにある。