■F15K改良費用は推算4兆6000億ウォン、1機当たり688億ウォンということに
ところで最近、この事業の費用が韓国軍内外で論争になっています。当初は2兆ウォン(約1930億円)台を予想していたのに、3兆-5兆ウォン(約2900億-4830億円)台に達するという説が出て「あまりにカネがかかりすぎるのではないか」という声が上がっているのです。ところで、事情に詳しい各消息筋によると、現在までに推算されている改良費用は4兆6000億ウォン(約4450億円)だといいます。メーカーなどとの非公式交渉を通して出てきたものといわれています。4兆6000億ウォンとなると、1機当たり688億ウォン(約67億円)ということになりますね。配備費用(1260億ウォン)の半分の水準になるわけです。
これに関連して、最近の日本の事例も注目されています。およそ200機ほどの旧型F15Jを保有している日本もF15の性能改良を進めていますが、費用の激増問題で事実上全面再検討に入った-と外信が伝えています。日本経済新聞は4月8日、防衛省が2020年度予算に含めていたF15改修関連費390億円を執行しなかったのに続いて、国会を通過した21年度予算には当初から関連事業費を計上しなかった、と報じました。
設計など初期費用が当初の予想より3倍近い水準へと膨れ上がり、米国側と結んでいた契約をひとまずキャンセルしたからだそうです。これに関連して岸信夫防衛相は、関連部局に再交渉を指示したといいます。
■4機のE737-AEW&C機の性能改良、配備費用と同等の1兆5000億ウォンと予想
予想より高いF15K改良費用について、防事庁は「費用がわれわれの目標水準から大きく外れる場合、事業そのものを全面再検討または延期することもあり得る」という立場といわれています。需要側となる韓国空軍は極めて困惑しつつも、改良費用を減らすためできる限り努力するという立場だといいます。
一部からは、最近米国で実戦配備が始まった最新型F15EXを韓国に販売するため、ボーイング社がF15Kの性能改良費用を削減する代わりに一定数のF15EX販売を提案した、という説も出ています。これについて韓国空軍とボーイング社はいずれも「全くそんな話はなかった。事実無根」という立場を表明しています。韓国軍上層部の消息筋は「現在韓国空軍にF15EX配備計画はない状態」と伝えました。