クアッドは米国で反中感情が高まりを見せ始めた大統領選挙前後には「中国けん制」という目的が強調されていたが、最近はコロナ・ワクチンの提供、半導体を中心としたサプライチェーン構築など、その協力関係はさまざまな分野へと拡大している。米国はクアッドを拡大した「クアッド・プラス」の形成も目指している。そこには同盟国の韓国をはじめ英国、ベトナム、フィリピンなど中国との関係がぎくしゃくしている国々の名前が挙がっている。米政府関係者は今月1日にメディアの取材に「韓国の友人たちと(クアッドについて)非常に深い話し合いを行ってきた」「より緊密な協議やその参加はいつでも歓迎するだろう」とコメントした。
これに対して韓国政府は「米国から正式な要請を受けたことはない」と繰り返し説明している。文在寅(ムン・ジェイン)大統領も今月21日に公表された米ニューヨーク・タイムズとのインタビューで「北朝鮮問題や気候変動問題を含む世界レベルのさまざまな懸案について、米国は中国と協力すべきだ」との考えを示した。中国はこれまでクアッドとその参加国に対し「徒党を組んでいる」「冷戦時代の思考だ」などと強く非難してきた。