北京のある外交筋はSCMPの報道について「(韓中)両国が関心を持つ問題については複数のルートを通じて意見交換をしてきたが、その中でクアッドに関する中国からの問い合わせが増えたとか、この問題への関心が高まっているとの話は最近になっても聞いていない」と伝えた。しかし来月には文大統領の米国訪問とバイデン大統領との首脳会談が予定されていることから、中国政府と中国の識者からは韓国に対する警告の意味合いを込めた発言が増えるものと予想されている。
中国は先日の米日首脳会談前にも日本に対して強い警告を発した。中国の王毅・外相は米日首脳会談の11日前となる今月5日、日本の茂木敏充外相と電話で会談し「いかなる超強大国の意思も国際社会を代表することはできず、この超強大国に従う少数の国も多国間の規則を独占する権利はない」との考えを伝え、クアッドに対する強い不満を表明した。当時、中国外交部(省に相当)はこの電話会談についてプレスリリースで発表しただけでなく、「日本は積極的な態度で中国の発展を見守るべきだ」とする別の資料も公表した。日本によるクアッドへの参加に対する不満を表明すると同時に、「米日首脳会談で一線を越えるな」と警告したとの解釈が大勢を占めていた。