米国防長官の抗議から2カ月、星州基地にTHAAD設備を追加搬入

施設の改修に必要な機器や発電機など

 これについて国防部は「地元住民には27日夜の搬入計画を事前に伝える予定だったので、メディアにも公開した」「発電機などの写真は在韓米軍が韓国側に提供したものだ」と説明した。これまで国防部は地元住民らに作業内容などを事前に伝えることなく搬入を行い、そのため配備に反対する団体と何度も衝突を繰り返してきた。今後は大型機器の搬入に先立ち事前に通知することを事実上定例化するということだ。

 しかし一部からは「中国を意識したのではないか」という疑問の声が持ち上がっている。昨年5月にTHAAD関連の機器を搬入する前に様々なルートを通じて中国側に説明を行い、了解を求めたことから「軍事主権を放棄した行動ではないのか」などの批判も受けていた。当時中国は事前に通知を受けたにもかかわらず、中国外交部報道官は定例会見で「THAADに対しては断固反対する」「米国は中国の利益を害するようなことはせず、中国と韓国の関係を悪化させるな」と反発していた。

 韓国国防部による今回の異例の対応については、「昨年3月にロバート・エイブラムス在韓米軍司令官が事実上のTHAAD性能改善に言及したが、これに伴う拡大解釈を警戒した」との見方もある。エイブラムス司令官は米国議会の公聴会で「米国ミサイル防衛庁は3つの特定の力量を(韓半島に)配備している」とした上で「一つはすでにここ(韓国)にあり、別の2つは今年配備されるだろう」と証言した。これについては「エイブラムス司令官はTHAADの遠隔発射を含む3段階の性能改善に言及した」との解釈が支配的だった。

 中国としても神経質にならざるを得ない事案のため、国防部は事前に「性能の向上とは関係ない」として確実に線を引き、機器の写真まで公開したということだ。経済社会研究院外交安保センターのシン・ボムチョル所長は「THAAD搬入計画や写真の事前公開は前例のない措置だ。そのため中国の顔色をうかがっているとの解釈も可能になる」と指摘した。これに対して国防部の関係者は「今回の搬入は中国には事前に通知していないと聞いている」と伝えた。

■韓国が2021年世界軍事力ランキング6位、米国1位…中国は?

ユ・ヨンウォン軍事専門記者 , 朴圓秀(パク・ウォンス)記者
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