批判的なメディアに「スパイ」のレッテル…総選挙を控えたプーチン大統領、弾圧を開始

四つの報道機関、18人のジャーナリストを「外国の代理人」と決めつけて弾圧
ガーディアン紙「独立メディアに対する死刑宣告」

 この日の処置で、プーチン政権のおよそ20年にわたる主な政敵粛清作業は最終段階に差し掛かったという評価がなされている。プーチン大統領は、野党「自由ロシア党」を率いていたセルゲイ・ユシェンコフを2003年に暗殺したのをはじめ、石油財閥のボリス・ベレゾフスキー(2013)、元副首相で野党系指導者のボリス・ネムツォフ(2015)などを次々と暗殺し、政敵を取り除いた。唯一残ったナワリヌイ氏も昨年8月、「ノビチョク」という化学物質で毒殺しようとしたが未遂に終わったため、監獄に送って関連組織の手足を縛るというやり方で政治的な死刑宣告を下した。

 政敵が取り除かれた後には反政府メディアと在野の市民活動家だけが残されることになったが、プーチン大統領は最近、これらメディア・市民活動家にも粛清の刃を向けている。ロシア法務省は7月23日、自国の反政府系オンライン調査報道機関「ジ・インサイダー」を「外国の代理人(foreign agent)」リストに追加した。2013年にロシアの反体制ジャーナリストらが作った「ジ・インサイダー」は、昨年8月のナワリヌイ氏毒殺未遂事件当時、ロシア連邦保安局(FSB)の暗殺要員から犯行の証言を直接確保して暴露し、プーチン政権がこの事件の黒幕だということを世界に知らせたメディアだ。

 「ロシアの政治に影響を及ぼそうとする海外のブラックマネーを受け取っている」という名目だが、具体的な容疑は示されなかった。それでも、同リストに載ると全てのコンテンツに「外国の代理人」表示が付き、四半期ごとに金銭取引を一つ一つ当局に明かさなければならない。昨年から今年までの間に、このリストにはロシアのジャーナリスト18人と「メデューサ」「Vタイムズ」など四つの反政府メディアの名前が載った。「Vタイムズ」は、指定後わずか3週間で廃刊した。

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イム・ギュミン記者
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