■まるで粒子状物資…東に流れる海洋ごみ
今年4月に国際学術誌「サイエンス・アドバンシス」に掲載された論文によると、中国は年間7万7000トンのプラスチックごみを海に捨てている。中国の黄海沿岸はさまざまな種類のプラスチックごみを排出する場所の一つだ。黄海に捨てられたごみの一部は韓国の西海岸や南海岸に流れ着く。韓国海洋水産部(省に相当)の関係者によると、海上の浮遊ごみはまるで粒子状物資のように中国から韓国に、韓国から日本に流れる傾向があるという。海上に漂う軽いプラスチックが偏西風やそれに伴う表層海流に乗って南東方向に流れていくのだ。実際に米航空宇宙局(NASA)の気象観測用人工衛星は揚子江下流の細かいプラスチック(直径5ミリ未満)が海流に乗って韓国や日本に流れる様子を撮影していた。
韓国の海洋当局によると、ペンニョン島には北方限界線(NLL)周辺で操業する違法中国漁船から捨てられたごみもかなり流れ着いているようだ。韓中漁業協定で定められたラインを侵犯し、ワタリガニやエビなどの漁場を奪うだけでなく、ごみまで大量に捨てているのだ。韓国政府は中国政府に海洋ごみによる被害の実態を伝えて協議を求めているが、実質的な対策は今も全く行われていない。
キム・ウンギョン記者