1月最終週のベストセラー20位(韓国出版人会議集計)には、米国最高の人気作家ステファニー・メイヤーのファンタジー小説が3冊入っている。10代の少女と吸血鬼の恋を描いた『トワイライト』3部作は、同名映画の公開とともに一気にベストセラーになった。今は外国語の原書と韓国語の翻訳版が同時に出版される時代だ。米国・日本・中国の2009年の出版傾向を通じ、今年1年間の韓国読書界の動きを予想してみた。 ◆米国は「吸血鬼物」ブーム  米国の出版界では今、ファンタジー小説が熱い。1月のアマゾン・ドットコム・ベストセラー10位以内では、1-3位と5位、9位がステファニー・メイヤーのファンタジー小説だ。昨年のベストセラー10位以内にもファンタジー小説が3冊入っている。『トワイライト』シリーズとクリストファー・パオリーニクの『ブリジンガー』シリーズが1・2位、ステファニー・メイヤーの『ザ・ホスト』が10位だった。著作権仲介業者「エリック・ヤン・エージェンシー」のキム・ヒスン代表は「(景気・生活の)将来的な見通しが厳しくなっていることから、小説や癒やしを求める本が人気」と話す。オバマ新大統領就任の影響もあり、詩人マヤ・アンジェロウや小説家トニー・モリスンといった黒人人気作家の新作もベストセラー入りしている。 ◆日本は「血液型本」が人気  2008年の日本出版市場のメガヒット本は『B型自分の説明書』だった。血液型の特徴について書かれたこの本は、B型に続きA型・O型・AB型が相次いで出版され、これまでに計500万部以上売れた。韓国出版マーケティング研究所のハン・ギホ所長は「不況や家族崩壊により、寂しさを感じる人が将来を見てもらおうと占い師のところに行くような心理が働いた」と説明する。また、今年もハウツー本の人気が続く見通しだ。「品格ある女性になるための実戦ガイド」という『女性の品格』は日本で300万部以上売れている。 ◆中国「不況時は健康第一」  昨年、中国出版界の話題をさらったのは「健康」だった。2007年に台湾で出版された『わたしの体の使用手帳』は中国で100万部以上売れ、『病気にかからない知恵』などの健康関連本が続々とベストセラー入りを果たした。著作権仲介業者「カラット・コリア」のペク・ウニョン代表は「消費心理が大幅に落ち込んでいるため、少ない資金で自分に投資できる健康関連本が人気」という。また、中華人民共和国建国60周年を迎える今年は、中国現代史に関する本が主に売れるとみられている。

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