換気口崩落事故が起こった京畿道城南市盆唐区の「ユースペース」野外公演場は、NHNエンターテインメント、NEOWIZ、ネクソン・コリアなどの情報技術(IT)企業が集中している「板橋テクノバレー」の真ん中にある。ここでは当時、「第1回板橋テクノバレーまつり」が開催されていた。

 報道機関edailyが主催したこのイベントでは4Minute、T-ARA、JUNGGIGO(コ・ジョンギ)、CherryFilterら人気歌手のライブ公演が行われ、地元住民、会社員、学生ら約700人が集まっていた。ステージは会場の端に設置され、その前にプラスチック製のいす数百脚が並べられていた。だが、目撃者によると、ライブ開始前から同公演場の地下駐車場上にある大型換気口には約30人が登っていたという。

 ある目撃者は「ガールズグループ4Minuteのライブが近づくと人がステージ前に集まり始め、20分前からは広場より少し高くなっている換気口の上に陣取っている人がいた」と話す。ライブを見ていた会社員(34)は「換気口の部分は高くなっていて、決められた座席以外でライブを見るのには最適の場所だった。私も登りたかったが、既にいっぱいでスペースがなかった」と語った。当時現場にいた写真愛好家が撮影した写真を見ると、換気口の鉄製のふたは大勢の人が載った重さで下方向に曲がっていた。

 午後5時53分ごろ、4Minuteが最後の曲としてヒット曲「Hot Issue」を歌っていたときに換気口のふたが落ちた。換気口の上でライブを見ていた約30人のうち25人が18.7メートル下の駐車場地下4階に転落した。目撃者は「ライブに夢中になっていたら、突然『ドーン』という音とともに換気口が崩れた。上から下を見ても真っ暗で何も見えなかった」と話した。ほかの目撃者たちも「換気口が崩れて20-30秒後に(換気口にたまっていたと思われる)土ぼこりが舞い上がってきた」と語った。

 会場近くにあるチキン店の店主(45)は「換気口の鉄ぶたの上に男性が乗り、大声を上げながらピョンピョン跳びはねていた。私にも危険に見えたが、これを何とかしてやめさせようというイベント関係者はいなかった」と述べた。消防関係者は「換気口は鉄製のふた6枚で覆われていたが、うち2枚が重量に耐え切れず外れ、上に載っていた人々が転落したと推定される」と語った。別の目撃者は「換気口の上には当時、会社員や近くの高校の生徒、保護者らがいた。ステージの音響があまりにも大きくて、事故の前兆のようなものには気付かなかった」と語った。

 事故直後には消防隊員110人や警察官20人ら合計140人が出動、転落した25人を救助するため中に入った。しかし、16人が死亡、8人が肺や腹部に重傷を負った。負傷者のうち1人は幸いなことに軽傷で済んだ。死者のほとんどは地元の板橋地区に勤める会社員だった。負傷者は現在、盆唐チャ病院や済生病院など近隣の病院に搬送され治療を受けている。

 転落事故が発生しても、主催側はこれに気付かずにライブ公演を続行した。ステージに立っていた4Minuteも、イベントを終えソウルに戻る車中で事故のニュースを聞いたという。現場にいた会社員(45)は「換気口から10メートルの場所でライブを見ていたが、音響が大きすぎて悲鳴も聞こえなかった。4Minuteがライブを終えて退場すると、観客も立ち上がって帰ろうとしていたが、そのとに司会者が事故があったとアナウンスした」と話す。事故発生のアナウンスがあってから約5分後に消防隊員が到着したとのことだ。

 目撃者たちの話では、司会者はライブ開始前に換気口に登っている人々に向かって下に降りるよう促したが、誰も降りようとしなかったという。ある目撃者は「司会者は換気口の上の人たちに『一番重要なのは安全だ。危険だから降りてきて』と言っていたが、誰も言うことを聞かなかった」と語った。

 イベントの安全管理が不十分だった可能性も取りざたされている。ある目撃者は「会場ではスタッフと書かれたネームプレートを首に掛けている人を数人見たが、警備員の制服を着た人などは見ていない」、別の目撃者のキム・ジヘさん(34)は「事故が起こった直後、換気口の近くに安全のためのフェンスはなく、警備要員もいなかった。歌手が出入りする通路以外に移動を制限されることは全くなかった」と語った。

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