北朝鮮総合
外交マナー違反を繰り返す金正恩氏、国際社会の問題児に
12日に中国北京で公演を予定していた北朝鮮の牡丹峰(モランボン)楽団が、金正恩(キム・ジョンウン)第1書記の指示で突如帰国した。これによって金正恩氏の「予測不可能」かつ「即興的・衝動的」なリーダーシップを国際社会があらためて目の当たりにする形となった。国際社会における外交的な慣例から考えたときの、金正恩氏の「欠礼」はこれまで何度も繰り返されてきた。.
金正恩氏は今年5月、国連の潘基文(パン・ギムン)事務総長の開城工業団地視察をいったんは認めたが、前日になって突然視察許可を取り消した。国際機関のトップとの約束を一方的にほごにするいう前代未聞の事件だった。潘基文事務総長も「北朝鮮から予定変更に関する説明は何もなかった」とコメントしている。
金正恩氏はロシア訪問計画もキャンセルしている。複数の外交筋によると、ロシアが5月9日に行った戦勝70周年記念行事に、金正恩氏は出席する意向をいったんはロシア側に伝えていた。ロシアのラブロフ外相も4月末に公の場で「金正恩氏から前向きな回答を得ている」と発言していたが、最後になって金正恩氏はこれをキャンセルしたのだ。
米国のオバマ大統領も金正恩氏に裏切られている。昨年2月に北朝鮮は、当時抑留していた韓国系米国人のケネス・ペ氏の釈放について話し合うため、米国務省のロバート・キング対北朝鮮人権特使を招待したが、これをわずか3日後に取り消した。オバマ大統領は当時ペ氏の釈放を確信し、公の場でこの問題に言及したが、北朝鮮が突然態度を変えたことで完全にメンツがつぶされた。これについてワシントンのある外交筋は「オバマ大統領が金正恩氏に愚弄された」とまで伝えていた。さらに金正恩氏は今年8月、自らが招待し3泊4日の日程で平壌を訪問した故・金大中(キム・デジュン)大統領夫人の李姫鎬(イ・ヒホ)氏に対しても、面会を要請する李氏と最後まで会おうとしなかった。
韓国の国立シンクタンクのある関係者は「常識外れの外交的欠礼により、今や金正恩氏は国際社会の問題児として完全に烙印(らくいん)を押された」「このようなことを繰り返しているようでは、どこの国の指導者も北朝鮮をまともに相手にしなくなるだろう」との見方を示した。