中国サッカー界が「恐韓症(韓国恐怖症)」を克服するため大々的な「上岩上陸作戦」を展開する。「戦場」は来月1日夜8時、韓国対中国のロシア・ワールドカップ(W杯)・サッカー最終予選第1戦が行われるソウルW杯スタジアム(ソウル市麻浦区上岩洞)だ。

 韓国は中国に対し30戦17勝1敗12分と圧倒的に優位な対戦成績を記録している。初めて正式に代表戦(Aマッチ)が行われた1978年以降の38年間で、韓国が負けたのは2010年の東アジアサッカー選手権(0-3)の1回だけだ。これまで韓国は中国に対し41ゴールを決め、21ゴールを許している。

 しかし今回、中国の動きは尋常ではない。中国は6年前に韓国から初勝利を挙げた高洪波監督(50)を今年2月、再び代表チームの監督に任命した。中国サッカー協会はW杯出場に6000万元(約9億1600万円)の報奨金を懸け、1試合当たりの勝利手当も300万元(約4600万円)と定めた。

 中国代表が円滑に決まるよう、中国プロサッカーリーグ1部「スーパーリーグ」の日程を先送りし、代表にはチャーター機を提供する。中国は習近平国家主席が2年前に「サッカー崛起(=興隆)」を打ち出し、大手グループ企業がサッカーチームに巨額の資金をつぎ込んでいる。

 ウリ・シュティーリケ韓国代表監督(62)=ドイツ=は中国の「サッカー崛起」をあまり意識していない様子だ。シュティーリケ監督は22日に韓国代表を発表、「中国の投資のほとんどはスーパーリーグの外国人選手入団に使われている。その投資がただちに代表チームの発展に直結するとは思えない」と言った。シュティーリケ監督は張賢秀(チャン・ヒョンス)=広州富力=、金基煕(キム・ギヒ)=上海申花=、洪正好(ホン・ジョンホ)=江蘇蘇寧=、鄭又栄(チョン・ウヨン)=重慶力帆=ら中国スーパーリーグで活躍する選手たちを中国戦で起用する方針だ。

 高洪波監督は28日、現地メディアのインタビューで、「韓国のFW陣は主に欧州組(ファン・ヒチャン、孫興ミン〈ソン・フンミン〉、具滋哲〈ク・ジャチョル〉、池東ウォン〈チ・ドンウォン〉だが、彼らの情報は限られている。相手についてはよく分からないのに、こちらはよく知られているので、(韓中戦に)どう備えるべきか研究しているところだ」と言った。

 大韓サッカー協会関係者は「韓中戦を見にソウルW杯スタジアムに来る中国応援団は2万-2万5000人になるだろう」と予想した。スタジアムには中国を応援する「加油(頑張れ)」という声援でいっぱいになる可能性もあると懸念されている。9大会連続W杯出場に挑む韓国代表は29日に京畿道坡州NFC(代表チームトレーニングセンター)に召集され、三日間にわたりトレーニングしてから中国と対戦する。

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