社会総合
「不快」?「芸術作品」? 評価分かれる「シューズツリー」
ソウル市が20日から9日間にわたりソウル駅広場に展示するインスタレーション「シューズツリー」=写真=をめぐり、「不快だ」「意味のある作品」などさまざまな評価が出ており、物議を醸している。インスタレーションとは、絵やオブジェなどを展示した空間そのものをアートと見なす芸術作品のことだ。
シューズツリーは捨てられた靴約3万足を100メートルにわたりつなげた大型インスタレーション作品だ。環境美術家のファン・ジヘ氏がプロボノ(公共の利益のため自身の才能や知識を無料で提供するボランティア活動)形式で製作した。ソウル市は、都市再生と環境保全の重要性を啓発するという趣旨からこの作品を展示することにした。現在は靴の間に花や木を植える仕上げ作業が進められている。
ところが、今月4日にこの作品の姿が公開されたのを受けて、インターネット上には「見るに堪えない」「あまりにも汚く見える」などの書き込みが寄せられている。会社員のイさん(27)は「毎朝、通勤途中にバスから見えるが、作品の意図を理解する前にまず拒否感の方が先に出た」と言った。ソウル市が9日からの展示に1億3000万ウォン(約1300万円)かけたことも「やり過ぎでは」と批判の声が上がっている。
その一方で、「作品の意図と限られた展示期間を考えれば問題になることはない」という意見もあった。大学生のキムさん(26)は「廃棄物リサイクルや環境保全という作品の意図に共感する。美の基準は人それぞれ違うし、展示期間も9日間と決まっているため、そのまま鑑賞すればいいのでは」と語った。
ソウル科学技術大学造形芸術学科のハン・ギョンウ教授は「ギャラリーなどではなく、公共の場に作品を設置する時は、作者の意図だけでなく大多数の市民にどのように受け止められるかも考えなければ」と話している。