日本の与党・自民党の石破茂・元幹事長は18日に行った講演で「日本は核兵器を製造する考えは全く持っていないが、その気になれば作れるということが大きな抑止力になっていることを理解しておかねばならない」と述べた。また別の講演では「北朝鮮、中国、米国、ロシアが核保有国であることを考えると、日本も核兵器を製造できる技術を確保しておくべきだ」とも主張したという。石橋はポスト安倍の有力候補の一人として知られる人物だ。

 日本はこれまで一度も核武装に必要な技術力を自ら後退させたことはない。核燃料の再処理を行う権限を確保した状態で大量の核物質を保有している上に、核関連技術も非常に高度なレベルを維持しているため、今や完全な核兵器潜在力を持つと言っても過言ではない。日本がその気になれば明日にでも核兵器を製造できるとの見方も決して根拠がないわけではないだろう。

 もちろん米国の同意なしに日本が核武装に踏み切ることは不可能であり、現状では国民もそれを望んでいない。しかし国の安全保障に責任を持つ政治家たちが核武装に必要な最低限の条件を整え、知恵を絞ることはまた別次元の問題だ。核武装の能力があり、また明らかな脅威に直面すれば核武装に踏み切る考えを持っている国と、核兵器を製造する能力が最初からないか、あるいはその意思さえない国は天地の違いがあり、比較のしようもない。また日本における核武装能力はそれだけでも抑止力として作用するだろう。石破氏も「日本はその能力を絶対に手放すべきではない」との点を強調しているわけだ。石破氏は「核に関する知識がなければ、核から自分を守る知識も得られない」とも語っている。原子力関連の技術は何があっても維持、発展させねばならないということだ。実際に日本は津波による原発事故という悲惨な経験をしたが、それでも最近は次々と原発を再稼働している。

 韓国も日本や南アフリカ共和国などと共に「1-2年以内に核武装が可能な国」に分類されている。使用済み核燃料を再処理する権限はないが、それ以外に必要な原子力関連のインフラや技術だけなら日本とさほど大きな差はない。ところが韓国政府は脱原発の政策を進め、今ある技術まで去勢する方向に進んでいる。脱原発によって原子力産業や研究開発の基盤が崩壊すれば、10-20年以内に韓国は事実上核武装の能力を完全に失った国へと転落する可能性が高い。

 北朝鮮の核兵器は日本ではなく韓国を第1の攻撃目標としている。あるいは現実的に考えて北朝鮮の核兵器が狙うのは韓国だけかもしれない。その核兵器の脅威は核兵器でのみ対処可能だが、韓国では政権政党の議員らがこの絶対的な真理から顔を背け、かつて詐欺で終わった「韓半島(朝鮮半島)非核化」を改めて目指そうとしている。最悪の場合、国と国民をどうやって守るのかという質問にも彼らは答えようとしない。韓国の政権政党が語るべき言葉は、北朝鮮の核の脅威から離れた日本の政権政党の議員からしか聞けなくなっているのだ。

ホーム TOP