京畿道華城市に国際的な大規模テーマパークを建設する事業が、2度の頓挫を経て、新世界グループの主導により再始動することになった。これまで「韓国版ディズニーランド」の建設を目指しながらも12年の間に2度も計画が頓挫し、構想自体が白紙化される危機に直面したが、ようやく「主人」が決まった格好だ。土地の所有権を持つ施工主の韓国水資源公社は28日「華城国際テーマパークの優先交渉対象者に、新世界プロパティーによるコンソーシアムを最終選定した」と発表した。

■規模は日本のUSJの6倍

 華城テーマパークは京畿道華城市の松山グリーンシティ東側に建設される予定で、面積は315万平方メートル。アジアの代表的なテーマパーク「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)」の約6倍に達する。新世界グループの直接投資額は総額4兆5300億ウォン(約4530億円)。コンソーシアムは、大型ショッピングモール「スターフィールド」を運営する新世界プロパティー(持ち株比率90%)と新世界建設(同10%)で構成される。

 テーマパークは、ジェットコースターなどのアトラクション、家族で楽しめるウォーターパーク、恐竜の卵の化石発見地帯と連携した恐竜探検パーク、子ども向けのおもちゃの国と大きく四つのテーマに分けられる。さらに、1000室規模のホテル、ショッピングモール、K-POPの公演会場、ゴルフ場も建設され、アジアを代表するテーマパークタウンが韓国の首都圏にお目見えすることになる。

 韓国水資源公社の関係者は「建設作業には10年間で6万人超が投入される。オープン後は毎年1万5000人が直接雇用される『テーマパークタウン』となるだろう」として「プロジェクトの雇用効果だけでも11万人と推算される」と話した。海外観光客の来場も含めて計算すると、経済効果は数十兆ウォン(約数兆円)と推定される。

■2度頓挫した事業…新世界「自信ある」

 華城国際テーマパーク建設事業はこれまで2度も頓挫している。事業の施行主である韓国水資源公社とユニバーサル・スタジオ・コリア・リゾート(USKR)のコンソーシアムは2007年「ユニバーサル・スタジオ」を韓国に建設するとして了解覚書(MOU)を締結した。3兆ウォン(現在のレートで3000億円)を投じ、2013年にオープンする計画だった。しかし、世界金融危機(08年)によって計画は遅延。10年にロッテグループがコンソーシアムの大株主として事業に参入したが、土地代の交渉などで意見が折り合わず、12年に事業が頓挫した。

 15年には大宇建設と中国資本が参加するUSKPHコンソーシアムを中心に事業が再び推進された。しかし、これも事業費調達などの問題で17年1月に頓挫した。業界では「華城テーマパーク建設は完全に白紙化されるだろう」との悲観的な見方も出た。しかし昨年8月、京畿道と華城市、水資源公社が3度目の挑戦に乗り出し、事業者として新世界が手を挙げた。

 新世界は「スターフィールド」を成功させたノウハウを華城国際テーマパーク事業にも生かすとしている。新世界の関係者は「華城国際テーマパークは、ショッピングに娯楽と飲食を融合させたスターフィールドのモデルに、アトラクションとスポーツ(ゴルフ場)、宿泊(ホテル)を追加したものだ。グループの全ての力を結集して臨む」と意欲を見せた。

■26年に一部オープン、今後は韓中日のテーマパーク集客合戦に

 華城国際テーマパークはようやく長い行程の第一歩を踏み出した。21年に着工し、26年に第1次オープン、31年に完全オープンを予定している。計画通り着工すれば、韓国国内には春川レゴランド(22年オープン)、永宗島リゾート(今年上半期に着工)を含め大型テーマパークが3か所できることになる。海外からの観光客を誘致するためには、2020年から本格化する日本・中国との「テーマパーク集客合戦」を勝ち抜かなければならない。日本では2020年、東京五輪に合わせてスーパーニンテンドーワールド(USJ内の新エリア)がオープンする。中国・北京では、65億ドル(約7200億円)を投じたアジア最大規模のユニバーサル・スタジオがオープンする。新世界プロパティーのイム・ヨンロク代表は「ロボットを使った駐車システムや自動運転の電動列車など最先端の情報通信技術(ICT)を積極的に活用し、国際競争力も兼ね備えることになる」と説明した。

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