韓・中・日3か国による機械産業競争で生き残るためには、わが国ならではの特性化製品が必要だという主張が提起された。わが国は工作機械分野で中国を相手に10年にわたり貿易黒字を記録しているが、対日本では10年間貿易赤字が続いている。

 韓国機械研究院が19日に発表した「韓・中・日の工作機械および機械要素の輸出競争力分析および提言」と題するリポートによると、工作機械の主要7品目の対中国貿易収支は2009年以降18年まで全て黒字を記録。しかし対日本貿易収支は09年から18年まで10年にわたり赤字から抜け出せなかった。

 リポートは、韓国・中国・日本の製造業の覇権争いが加速していることに伴い、機械産業を工作機械と機械要素に分けて分析。工作機械の主要品目はレーザー・放電方式工作機械類、マシニングセンタ、旋盤・ターニングセンタ、ドリリング・ボーニング・ミーリング、研磨工作機械類、金属加工機械、工作機械部分品の7品目に細分化した。

 過去10年間で韓・中・日3か国の工作機械の輸出入動向は、日本が絶対優位に立つ中、わが国と中国が一部品目で追撃するという構造に変化した。わが国は2009年には旋盤・ターニングセンタ(23.4%)と金属加工機械(22.5%)が中心だったが、18年には旋盤・ターニングセンタ(28.0%)とマシニングセンタ(22.0%)の割合が高くなった。

 わが国の工作機械の海外輸出規模を100とした場合、18年時点での3か国の海外輸出の結果を比較すると、旋盤・ターニングセンタとマシニングセンタは中国と比較してそれぞれ3倍と1.5倍だった。しかし日本に比べるとそれぞれ7分の1、2分の1にとどまることが分かった。

 問題は、わが国の対日本貿易が、10年にわたり輸入が輸出を上回る慢性赤字となっている点だ。18年の工作機械の対日本輸出額は1億8110万ドルに過ぎなかったが、日本から輸入した金額は6億1770万ドルに上った。

 わが国が日本から最も多く輸入している工作機械品目は、レーザー・超音波・放電方式の加工工作機械であることが分かった。昨年の輸入額は1億2440万ドル規模だ。反対に、日本に最も多く輸出している品目は、工作機械に入っている部分品で、昨年の対日本輸出額は1億1560万ドルを記録した。

 わが国の工作機械の輸出割合について過去10年間のデータを見てみると、日本の輸出割合1位の品目であるマシニングセンタを追撃していることが分かった。マシニングセンタの輸出増加は、中国での需要増加が影響を及ぼしたとみられる。

 中国の場合、ほかの工作機械品目に比べマシニングセンタの輸入割合が高い。昨年、中国のマシニングセンタの輸入額は37億4700万ドルを記録し、輸入全体の34.6%で最も割合が高かった。現在わが国は中国に輸出する全ての工作機械品目で黒字を計上している。

 しかし、わが国で日本への輸出のうち最も割合が高い工作機械部分品は、中国が強みを持っている。日本は工作機械部分品の需要が高い。工作機械を製造して海外に輸出する一方で、部分品は輸入に依存するという構造だ。昨年、日本の工作機械部分品の輸入額は8億9300万ドルで、工作機械の輸入全体の56.5%を占めた。

 一方、わが国の最大の輸出品目は旋盤・ターニングセンタ、最大の輸入品目は工作機械部分品だった。中国と日本の間に位置するわが国の工作機械産業は、旋盤・ターニングセンタ、マシニングセンタなど上位の輸出品目の高付加価値化を推進しなければならない状況だ。

 韓国機械研究院のオ・スンフン研究戦略室チーム長は「過去10年間、わが国の工作機械分野は中国の技術面での追撃にもかかわらず差を広げ、善戦した」としながらも「ただし機械要素部門で『規模の経済』を掲げる中国と『精密部品技術大国』の日本を超えるために、選択と集中を通じた特化品目の育成戦略に腐心しなければならない」と話した。

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