最近韓国のネットユーザーの間で「チャイナゲート」という単語が話題になっている。1日にはポータルサイトのリアルタイム検索ワードで1位にもなった。米国や台湾で論議を呼んだ中国のインターネット世論操作が韓国でも行われているという疑惑だ。

 2月27日には掲示板サイト「DCインサイド」などに「私は朝鮮族だ。真実を話したい」と題する長文の投稿があった。「朝鮮族と韓国で学ぶ中国人留学生がネイバーの記事のベストコメントや女性中心のサイトに投稿されるコメントを操作している」「韓国で現政権や中国を擁護する極端な親文在寅(ムン・ジェイン)のネットユーザーの相当数は朝鮮族だ」とするものだった。

 この文章について、一部のネットユーザーが「かなり前からネイバーに中国人世論操作団が浸透している」とし、韓国国内の記事に異常に中国語によるコメントが付いた事例を「状況証拠」として挙げた。代表的事例が2018年2月の平昌オリンピック当時の「男子ショートトラック、林孝峻(イム・ホジュン)・ソ・イラ、ファン・デホン、1000メートル予選全員通過」という記事だった。中国選手が韓国選手を押し出す反則で失格になったとする記事に対し、中国語のコメントが6万件以上付き、ベストコメントにはそう思うというリアクションが2万9000件以上付いた。「歴代級の黒幕」「これが平昌だ」といった韓国を批判するコメントが中国語の暴言と共に書き込まれた。

 ネットユーザーは「フィッシングリンク」で中国人をあぶり出した一例も投稿した。例えば、ソーシャルメディアに「文在寅の弾劾を防ぐための請願です。賛同をお願いします」と投稿し、リンク先に反中国共産党サイトの「動態網」を設定したことへの反応だ。青瓦台の請願サイトだと思い込み、「動態網」にアクセスしてしまった人の一部は「なぜ自分にこんなことをするのか」「(政府を)裏切ることはできない」といったコメントをソーシャルメディアに残して抗議した。中国では「動態網」に接続しただけで処罰されるため、そういう反応を見せたという可能性が指摘された。フォロワー4600人と共に現政権に有利になるようにポータルサイトでコメントへの賛同を促してきたツイッターのアカウント「キムギョクル」にあるネットユーザーが動態網のアドレスを残すと、すぐにアカウントが閉鎖されたとの書き込みもあった。

 中国が他国のインターネット世論を操作しているとの疑惑は初めてではない。昨年9月に米ワシントン・ポストは社説を通じ、「中国はロシアよりもずっと前からインターネット世論の操作を開始した」と指摘した。昨年末に米スタンフォード大の「スタンフォード・インターネット・オブザーバトリー」は今年の台湾総統選を控え、台湾独立派に不利な世論をネット上に広めようとしているとの分析を示した。

 専門家は「もっと精密な検証が必要だ」との立場だ。高麗大情報保護学科の金承柱(キム・スンジュ)教授は「中国のIP接続が多いといっても、他国からのアクセスかのようにIPアドレスを変更することができ、これだけで結論を出すことは難しい」と指摘した。

ホーム TOP