韓国鉄道公社(KORAIL)社員が身分を偽り、乗客のふりをして、公共機関顧客満足度調査で不正を行っていたことが判明した。一部地域本部では担当部署が対応計画まで立て、休日の社員まで動員するなど組織的に動いていた。

 韓国国土交通部は19日、最近の監査で、今年1月に実施された「2019顧客満足度調査」で不正が見つかったと発表した。不正に関与した208人のうち16人を業務妨害の疑いで告発したほか、9人の懲戒、21人の警告を求めた。顧客満足度調査は毎年実施する企画財政部の公共機関経営実績評価指標の一つ。社員の成果給にも影響を与える。韓国能率協会コンサルティングが全国25の鉄道駅に調査員を派遣し、一般国民を対象に調査を実施する。

 監査によると、KORAILは12の地域本部のうち8本部で所属社員が利用客のふりをし、顧客満足度調査に応じた。1438件の回答のうち15.4%に当たる222件が利用客を装ったKORAIL社員による回答だったことが判明した。特にソウル本部は担当部署が組織的に不正を主導した。調査員の写真を入手し、社員同士のチャットルームに載せ、社員が調査員に意図的に接近していた。首都圏西部、首都圏東部、釜山慶南の各本部も同様の行為を組織的に促していたことが分かった。大田忠南、光州、大邱、全南の4本部では出張者が個別に加担していたケースが摘発された。

 国土交通部関係者は「数年間持続的にこうした手口で顧客満足度評価を歪曲(わいきょく)した状況が把握されたが、個人情報保護法の規定で関連資料が廃棄されたため、さらに究明することはできなかった」と説明した。KORAILは2018年、顧客満足度調査でA等級の評価を受け、政府系企業の評価では前年より1ランク上のB等級となった。KORAILは昨年、会計決算の過程で実際には1000億ウォン(約88億円)近い赤字が出たが、3000億ウォンの黒字が出たことにして成果給を支給したことが論議を呼んだ。最近5年間のKORAILの累積赤字は6600億ウォンに達する。

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