▲ソン・ユグンさん 写真=科学技術連合大学院大学

■世間を仰天させる天才少年現る

 1997年生まれのソン・ユグンさんはニュース報道により天才少年としてその名を知られるようになった。彼は6歳の時にアインシュタインの相対性理論を理解し、大学レベルの微分積分の問題を解いた。

 また、小学校の課程を6カ月で終えた後、検定試験を経て最年少の9歳で大学に合格するなど、世間を驚かせた。だが、年齢的に幼すぎて大学生活に適応できず、大学の課程をすべて終えられなかった。

 しかし、ソンさんは12歳だった2009年、科学技術連合大学院大学(UST)の韓国天文研究院修士・博士統合課程に入学し、博士号取得のため本格的な授業を受け始めた。

 そして入学から7年たった2015年、ソンさんが最年少博士になるというニュースが伝えられ、再び世間を驚かせた。

 ソンさんは同年、「一般相対性理論の天体物理学的応用」というタイトルの論文を2015年後期学位請求論文として提出した。論文が通過すれば、ソンさんは18歳3カ月という年齢で韓国最年少博士号を取得できるはずだった。

■最年少博士号取得を狙った天才少年が論文盗作

 だが、その期待は外れた。

 米国天体学会は、ソンさんの論文が盗作だとして論文の撤回を発表、ソンさんの最年少博士号は吹き飛んでしまった。USTの調査でも、ソンさんと指導教授が論文を作成する過程で盗作をしていたことが明らかになった。

 ソンさんは1年余りの空白期間の末、2017年に再び論文を提出した。しかし、この論文は通過しなかった。ソンさんは休学を選択した。

 翌2018年3月に復学したソンさんは、5月に再度論文を提出したが、再び不合格と判定された。

 そして、UST側は学則で規定されている修士・博士統合課程の在学年限である8年以内に博士号を取得できなかったという理由で、同年9月にソンさんを除籍処分にした。

■裁判所「論文盗作問題、ソン・ユグンさんにも責任がある」

 これに対して、ソンさんは同年9月28日、裁判所に除籍処分取り消しを求める行政訴訟を起こした。ソンさんは訴訟で、「2016年4月に指導教授が解任された後、2017年3月に新たな指導教授が任命されるまでは教育課程の提供を全く受けられなかったため、在学期間から除外すべきだ」などの理由を挙げた。

 だが、昨年7月11日に行われた除籍処分取り消し請求訴訟で、裁判所は学校側の主張を認めた。

 大田地裁行政第2部(裁判長:ソン・ギグォン部長判事)は、ソンさんがUST総長を相手取って起こした除籍処分取り消し請求訴訟で、ソンさんの請求を棄却した。

 同地裁は「原告は除籍処分の根拠となる学則を無効だと主張しているが、大学の自律性や学則内容を見ても、問題はないと思われる」と判決理由を説明した。

 そして、「指導教授が解任された原因は論文盗作事件にあり、原告(ソンさん)もこの事件で責任を取らなければならない。被告(UST)はこの問題を解決するため努力したと見られるので、在学年限から除外すべきだという主張には妥当性がない」とも説明した。

 その上で、「2015年に博士号論文の審査で合格判定を受けたからと言って、その効力が続くものではない。結論として、原告の請求には理由がない」と結論付けた。

 これを不服とした控訴審でも、裁判所の判断は変わらなかった。大田高裁行政第2部(裁判長:シン・ドンホン部長判事)は19日、ソンさんがUST総長を相手取り起こした除籍処分取り消し請求訴訟の控訴審で、原告の訴えを棄却した。

 同高裁は「一審判決は正当で、原告の主張には理由がない」として原告敗訴の判決を下した。

シン・ジョンフン記者

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