▲秋美愛(チュ・ミエ)司法部長官=写真左=、李貞玉(イ・ジョンオク)女性家族部長官=同右=

 非政府組織(NGO)「韓国女性の電話」のソン・ランヒ事務局長は13日、朴元淳(パク・ウォンスン)前ソウル市長のわいせつ行為・セクハラ(性的嫌がらせ)疑惑に関する記者会見で、「韓国社会は多くの犠牲者の勇気と犠牲を乗り越えて、性暴力問題の解決に少しずつ近付いており、また、法制度が作られ、整備されつつある。(朴前市長の)死で事件がもみ消されたり、言及することが禁止されたりしてはならない」と述べた。法曹関係者の間では、「性犯罪関連法制度を整備していかなければならない秋美愛(チュ・ミエ)司法部長官は意図的に今回の事件について口を閉ざしている。わいせつ行為・セクハラにも敵味方による区別があるのか」との批判が出ている。

 秋美愛長官はこれまで、性犯罪に対して多くの強硬発言をしてきた。同長官は今年4月17日、法務部を通じて、当時批判が多かった、いわゆる「n番部屋」事件についてプレスリリースを出した。このプレスリリースでは、「性犯罪で司法の正義が生きていることを見せようと思う。犯罪の連鎖を断ち切るため、これまで韓国社会の対応があまりにも生ぬるかったことを反省している。性犯罪全体に対して最後まで犯人を追跡し、必ず厳罰に処する。組織的性犯罪の場合、重刑を言い渡すことにより、『一度捕まったら終わりだ』という認識を定着させる」と述べた。

 秋美愛長官はまた、今年5月、世界最大の児童ポルノサイト運営者ソン・ジョンウ氏の米国送還を要求する青瓦台国民請願に対する答弁で、「法務部長官として、明日の(性)犯罪者に勇気を与えるような愚かなことをしてはならない」とも語った。

 秋美愛長官の「選択的箝口(かんこう=場合によってコメントしたりしなかったりすること)」は今回が初めてではない。今年4月に同じ与党・共に民主党出身の呉巨敦(オ・ゴドン)元釜山市長による女性職員わいせつ・セクハラ事件が発生した時、同長官は口をつぐんでいた。

 2018年に「MeToo(性暴力被害の告発)」運動に火をつけた徐志賢(ソ・ジヒョン)検事も同じだった。朴元淳前ソウル市長によるわいせつ行為・セクハラ事件で被害者の弁護を引き受けたキム・ジェリョン弁護士は、2018年の徐志賢検事のMeToo事件の弁護人でもあった。「(朴前市長の)被害者の女性に対してなぜ沈黙しているのか」という批判が出ると、徐志賢検事は13日、フェイスブックに「パニック障害のため一言話すのも難しい」と投稿し、フェイスブックをやめると宣言した。

 女性家族部は、朴前市長のセクハラ疑惑が明るみに出て五日後の14日になってようやく、「ソウル市に再発防止対策を樹立・施行するよう伝え、これを提出するよう要請する予定だ」とコメントした。

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