▲韓国気象庁が2014年11月、569億ウォンを投じて導入したスーパーコンピューター4号機/気象庁

 5日未明、韓国の江原道、京畿道北部を中心に大雨が降ったが、前日の予報とは異なり、首都圏には特に被害がなく、韓国気象庁は「誤報庁」と皮肉られている。気象庁は「異常気象による異例の気象状況で予測が非常に難しかった」と説明した。

■「予報」どころか「中継」も困難

 気象庁は5日午前、ソウル市と京畿道、江原道の嶺西地方に突風や雷を伴った1時間当たり50~100ミリの雨が降ると予報した。しかし、5日午後7時現在で、江原道の高城、鉄原などでは200ミリ前後の雨が降ったが、首都圏の大半の地域では20~30ミリの雨が降るにとどまり、再び予報能力が批判を浴びた。気象庁がウェブサイトで10分ごとに雨雲の動きを予測して提供している「超短期降水量予測」も外れる地域が出て、インターネット上では「『予報』はだめでも、(雨雲の)『中継』はちゃんとできないものか」という批判が聞かれた。

 民間の気象情報会社、ケイウェザーのパン・ギソン・センター長は「現在の予報能力では超短期予測は難しい。雨雲が接近する様子を衛星で観測するとしても、実際に陸地に到達した際、どんな要素が影響を与え、雨が多く降るか、あるいは降らないかを予測するのは容易ではない」と指摘した。

■780億ウォンをかけた韓国型予報モデル

 気象庁は予報の正確性を高めるため、今年4月に韓国型数値予報モデル(KIM=Korean Integrated Model)を導入した。2011年から19年まで総額780億ウォン(約69億円)を投じた。KIMは一種の気象予測プログラムで、気象庁が使用するスーパーコンピューターで動く。これまでは英国モデル(UM)を使用していたが、英国と韓国の地形や気象特性は異なるため、より精密な結果値を得るため、独自技術で気象予報モデルを構築したものだ。

 問題はKIM導入後も降水予報の正確度が低いという事実だ。導入初期に当たるため、やや不安定なKIMを補完するため、UMと並行使用しているが、今年4月から7月13日までの降水予報の正確度は67%だった。前年同期(68%)をむしろ1ポイント下回った。降水予報の正確度は「雨が降る」と予報した際、実際に雨が降ったかをどうかの割合だ。KIM導入後、むしろ正確度が低下したことについて、気象庁関係者は「降水予測モデルはさまざまなシナリオを示すもので、予報をたやすく計算するものではない。まだ導入初期であり、四季が過ぎれば、データが蓄積され、韓国の状況に合った予測値が出るはずだ」と語った。

■6日は全国で再び雨

 気象庁は5日夜から6日にかけ、中国・上海付近から西海を北東に進む低気圧の影響で、韓国では大雨が降ると予想した。中部地方と全羅道は6日昼まで、慶尚道は6日日中にかけ、突風や雷を伴った1時間当たり50~100ミリの強い雨が降るとみられる。7日には全国の大半の地域で雨が降りそうだ。5日から7日までの予想降水量はソウル、京畿道、江原道嶺西、忠清道、西海5島で100~200ミリ、江原道嶺東、南部地方で50~100ミリ、済州道で30~80ミリなどだ。気象庁はソウル、京畿道で14日まで雨が続くとも予報している。これは中部地方で10日に梅雨明けするという当初予測よりも梅雨が長引くことを示している。

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