六日間で最大800ミリメートルの豪雨が北朝鮮全域を襲ったことから、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長は水害の被災地を自ら視察し、早々に対策作りに乗り出した。対北朝鮮制裁で深まる経済難に新型コロナウイルスの流行、そして豪雨という三重苦にさいなまれている住民たちの動揺は深刻な状況だと思われる。

 北朝鮮の国営メディア・朝鮮中央通信は7日、「金正恩同志は黄海北道銀波郡大青里一帯の洪水被害状況を現地視察した」と報道した。銀波郡では豪雨により堤防が崩壊し、平屋の住宅約730棟と田約600町歩(1町歩=3000坪)が浸水し、住宅179棟が崩壊するなど大きな被害が出たと同通信は伝えた。北朝鮮は今月4日から二日間、黄海道で最大500ミリメートル以上の豪雨が予想されるとして特別警報を発令していた。

 同通信は「国務委員長(金委員長)は予備穀物を解放して、被災地の人民に世帯ごとに供給するための文書を作成、被害復旧建設事業に必要なセメントをはじめとする建設資材確保対策を立て、所要量に応じて国務委員長戦略予備分物資を解放・保障することを指示した」と報道した。水害地域を自ら訪れて、国務委員長名義の食糧や戦略物資を支援したのだ。金正恩委員長が水害被災地を自ら訪れたのは、2015年の咸鏡北道羅先市の水害復旧現場視察に続き、今回が2度目だ。この日公開された写真には、金正恩委員長が日本車であるレクサスから降りてくる姿が写っていた。

キム・ウンジュン記者

ホーム TOP