韓国疾病管理庁は17日、「新型コロナウイルスに感染して死亡した方が16日に22人出た」と明らかにした。新型コロナによる死亡者数22人は、一日の死亡者数としては今年1月の新型コロナ流行以降で最多だ。ソウルでは病床不足により入院待機していた感染者が死亡するという初の事例も発生した。

 14日に死亡者が13人発生し、新興宗教団体「新天地イエス教証しの幕屋聖殿」大邱教会から広がった流行「第1波」時の3月24日(9人)という直近の最多死亡者数を上回ったが、さらに15日(12人)、16日(22人)と三日連続で死亡者数が2けたとなった。今月1日から16日までの死亡者は108人で、先月の同期間(11月1日から16日まで・28人)の3.9倍に達した。

 流行「第3波」が本格化するにつれ、酸素治療を受けなければならない重篤な重症者が増え、時差を置いて死亡者も増えているのだ。

 17日0時現在の重篤な重症者は一日で16人増え242人と過去最多を更新した。

 新型コロナ重症者がすぐに入院できる病床は全国基準で41床、首都圏基準で4床しか残っていない状況だ。ソウルでは基礎疾患のある60代が12日に陽性であることが分かり、病床が空くのを待っていたが、三日後の15日に死亡するという事例も発生した。ソウルの16日の感染者は423人で過去最多だ。

 疾病管理庁のイ・サンウォン危機対応分析官は17日、「これまでに感染した方々が発症してお亡くなりになっている状況だ。それほど市中感染が増えているという傍証だ」と語った。

 16日には韓国の新規感染者が1014人発生し、12日と15日に続き3回目の全国新規感染者数4けたとなった。9日から16日までの1週間で海外からの流入を除く一日平均地域感染例は882.9人だった。8日から15日までに続き、「社会的距離確保」第3段階引き上げの要件を二日連続で満たしたことになる。

 K防疫の核心である追跡調査では、感染拡大の勢いを止めにくくする小規模集団感染や感染経路不明の感染者が大幅に増加しており、しばらくの間、「第3波」が続くのではという懸念が出ている。2日から15日までの2週間で発生した新規感染者1万279人のうち、4人以下の小規模集団感染事例は43.2%(4445人)で、感染経路が分からない「調査中」の事例は22.7%(2329人)だ。

 5人以上の集団感染も病院や建設現場、宗教施設、学校などさまざまな日常空間で連日広がっている。12日に初の感染者が発生した忠清南道唐津市のナウム教会関連集団感染は隣の瑞山市にある祈とう院にも広がり、17日昼12時現在、感染者が合計119人に達している。

 このほかにも慶尚北道尚州市のキリスト教宣教団体「インターコープ宣教会」が運営する研修施設「BTJセンター」で集団感染が発生したことが分かり、防疫当局が疫学調査に乗り出した。防疫当局は17日、「11月27日と28日に尚州市内にあるBTJセンターを訪れた人は、最寄りの保健所の選別診療所(検査所)で検査を受けてほしい」という緊急災害メッセージを発信した。この二日間に同センターで信者ら約500人が行った1泊2日の研修により、大規模感染拡大が起こる可能性があると防疫当局では懸念している。イ・サンウォン分析官は「感染者に対する重複経路調査過程で、11月27日と28日の二日間、インターコープ宣教会の集まりに参加した人の中で感染者が多数発生していることを確認した。感染リスクが高いと見るべきで、ほかの流行にもつながる恐れがあると判断した」と語った。

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