▲仁川空港の監視カメラに映った金学義元法務部次官。本紙が単独入手した

 金学義(キム・ハクウィ)元法務部次官に対する違法な出国禁止措置疑惑に関連し、法務部職員が緊急出国禁止要請書が届いてもいない段階で金元次官の出国を制止するために出動していたことが14日までに分かった。上部の指示もなく、法務部職員が動くはずはないと指摘されている。法務部や青瓦台などの介入疑惑が強まっている。

 本紙が入手した仁川空港の監視カメラ映像と公益申告書を総合すると、金元次官は2019年3月22日午後10時48分、出国審査を終え、23日午前0時20分に出発するタイ・バンコク行きの便を待っていた。この時点で金元次官は出国禁止状態ではなかったため、出国審査を無事に通過した。

 金元次官の出入国情報を繰り返し照会していた仁川空港情報分析課職員は22日午後10時52分、金元次官が出国審査場に入ったのを確認した。情報は直ちに法務部出入国・外国人本部を経由し、大検察庁過去史真相調査団に伝えられた。法務部が大検察庁真相調査団所属のイ・ギュウォン検事名義による緊急出国禁止要請書を受理したのは23日午前0時8分だった。

 ところが、約30分前の22日午後11時39分、法務部職員4人が金元次官を探そうと忙しく動いている様子が空港の監視カメラに映っていた。航空会社の職員に金元次官の行方を尋ねるような場面も映っていた。緊急出国禁止要請書が届く前に「捜索」が始まっていたことになる。

 法務部職員は23日午前0時22分、出発が遅れていた109番搭乗口の前で金元次官を制止した。検察は離陸遅延に当局が介入した可能性を調べたが、航空会社側は「接続便に問題が生じた」と説明したため、追加調査は行われなかった。

 この一件は文在寅(ムン・ジェイン)大統領が金元次官に対する厳正な捜査を指示してから5日後に起きた。複数の法律専門家は「金学義氏のような破廉恥犯を捕まえるのに法律に少しぐらい反しても構わないという態度で法務部と青瓦台が関与したと思う」と話した。

 「別荘での性的接待」疑惑が持たれていた金学義元次官に対する「違法な出国禁止」は法務部職員が出国情報をリアルタイムで違法に照会した後、事前に出動し、大検察庁真相調査団のイ・ギュウォン検事が虚偽の出国要請書を提出する過程まで軍事作戦のように一糸乱れず行われた。法曹界からは「朴相基(パク・サンギ)元法務部長官より上の介入がなければ起こり得ないことだ」とする指摘が出ている。

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