慶尚南道泗川市と固城郡の境界付近の沖合で、足が32本もある「怪ダコ」が捕獲された。軟体動物であるタコの足は通常8本。ところが、奇怪なタコの出現に漁業関係者だけでなく海洋生物を研究する専門家たちも「こんなタコは初めて」だとして「可能であればDNA組織検査や放射能被ばく検査などをした方がいいのではないか」と話している。

 慶尚南道泗川市と漁業関係者らによると、今月15日に同市と固城郡の境界付近の沖合で操業中、足が32本あるタコが捕獲されたという。

 漁業関係者らは、今が禁漁期でタコを捕まえることができないため海に放そうとしたが、足が多いためじっくり観察した。木の枝のように何本にも分かれ、全部で32本もあった。

 タコが捕獲されると漁業関係者らは「こんなタコは生まれて初めて」と驚き、専門研究機関に問い合わせた。ところが海洋生物を研究する研究員でさえも「こんなケースは初めて」だとして「奇形なのかどうか確認するため、放射能検査やDNA組織検査を実施する必要がある」と述べた。

 韓国国立水産科学院の遠近海資源課に所属する3人の研究員は、このようなタコが国内で発見されたことがあるのかという本紙の質問に対し「聞いたことがない」と口をそろえた。国立水産科学院のキム・ヨンヘ研究官は「通常、タコの再生能力は優れているといわれるが、足が切れて再び生える場合でも、切れた場所から小さな足が1本ずつ生えるだけで、木の枝のように広がるケースは見たことがない」と話した。

 タコなどの軟体動物を研究している海洋水産部(省に相当)傘下の国立海洋生物資源館のイ・サンホ専任研究員も「このようなタコは初めて見た」として「これまで国内の学界で報告されたことのないケースだと聞いている」と話した。イ研究員は「DNA組織検査や放射能被ばく検査を通じ、タコに間違いないのか、放射能被ばくなどによる奇形かどうかについて調査できるのではないか」と話した。

 事例は少ないが、タコの足にできた傷が治る過程で過剰再生という現象が起きるケースも外国ではあったことが分かった。

 日本では1957年に足が85本、1998年には足が96本のタコが発見され、展示されたこともあったという。これらのタコの写真は現在、グーグルでも検索できる。

 漁業関係者らは現在、このタコを研究用に使えるとして保管しているが、すでに内臓器官は除去したという。

 慶南水産資源研究所のイ・ジョンテ研究士は「写真のタコの頭と足の形状を見ると、テナガダコではなくミズダコとみられる」として「正確な種類や放射能被ばくの有無は、DNA検査や放射能検査などによって判明するが、内臓器官が除去されていると、なぜこの形になったのかまで突き止めるのは困難とみられる」と話した。

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