レバノンのイスラム武装勢力ヒズボラが北朝鮮の坑道技術を取り入れ、軍事用の地下トンネルを建設したとする研究報告書が出た。ヒズボラは武装勢力だが、同時にレバノンの与党を率いる政治勢力でもある。

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 サウジアラビアのアル・アラビーヤ放送が16日(現地時間)に報じたところによると、イスラエルのシンクタンク「アルマ研究所」は、ヒズボラが地下施設開発を専門とする朝鮮鉱業開発貿易公社(KOMID)という北朝鮮企業と1300万ドル(現在のレートで約14億2000万円)の技術導入契約を結んだという報告書を出した。この契約を通して、レバノン南部に全長45キロに達する地下トンネルを作ったという。

 このトンネルは東部のベカー高原から地中海に接する西部の海岸地帯まで、レバノンの複数の軍事的要衝を東西に連結するものーとアルマ研究所は明かした。ヒズボラはこのトンネルを掘る工事の現場監督を、イランの精鋭部隊パスダラン(革命防衛隊)に任せたことが分かった。技術は北朝鮮に、管理はイランに任せ、トンネルを作ったというわけだ。

 アルマ研究所によると、ヒズボラのトンネルは北朝鮮の坑道とモデルが似ており、武装した兵士が地下を通って素早く移動できる。軍事用オートバイや小型車両もこのトンネルを利用できる。内部には地下ミサイル格納庫や発射台も設置されたという。

 ヒズボラは2006年から北朝鮮・イランの支援を受けてこのトンネルを掘り始めたと伝えられている。北朝鮮はヒズボラとの契約に基づき、掘削技術はもちろん地下を掘る際に必要な各種の資材も供給した、とアルマ研究所は明かした。北朝鮮は坑道の専門家6人をレバノンに派遣した。現金が足りないヒズボラは、技術導入の契約金の一部をヘロイン・コカインなど麻薬の形で北朝鮮に渡したといわれている。

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