ゴルフを始めて6カ月になる30代の会社員キム・ギュホさんは「セントアンドリュース」「マーク&ロナ」など日本ブランドのゴルフウエアを主に購入している。キムさんは「スコア100程度の初歩ゴルファーは機能に集中したゴルフウエアの購入をためらってしまうが、日本ブランドのゴルフウエアはカジュアルウエアとして着てもよいほどだ。(日本ブランドの)ユニクロの服はあまり買わないが、ゴルフウエアはやめられない」と話した。

 カジュアルなデザインを掲げる日本のゴルフウエアブランドが韓国市場で急速に成長している。2019年7月に日本の輸出規制をきっかけとして起きた「日本製品不買運動」の影響で、日本のファッションブランドであるユニクロが店舗50カ所以上を閉鎖し、日本の化粧品ブランドDHCは今月、韓国から撤退したのとは対照的だ。

 流通業界によると、日本のゴルフウエアブランド「セントアンドリュース」は韓国進出3年目の今年、過去最高の売り上げを記録する見通しだ。今年上半期だけで120億8090万ウォン(約11億3500万円)を売り上げ、昨年通年実績を上回った。昨年上半期の売り上げ(28億ウォン)と比べると4.2倍の伸びだ。セントアンドリュース関係者は「Tシャツ1枚が25万ウォンを超える高価格にもかかわらず、買い求める客が増え続けている」と話した。

 2009年に韓国に進出した日本のゴルフウエアブランド「パーリーゲイツ」も今年、過去最高の売り上げが予想される。今年上半期だけで535億ウォンを売り上げ、前年同期に比べ24%以上成長した。パーリーゲイツのプレミアムブランドとして分離した「マスターバニーエディション」は今年上半期に前年比で2.6倍の92億8000万ウォンを売り上げた。

 韓国トレンド研究所のパク・ソンヒ責任研究員は「20-30代がゴルフに関心を持ち始め、機能性を強調してきたゴルフウエアとは異なり、楽で若く見えるゴルフウエアが人気を集めている。日本のゴルフウエアブランドはトレンドとデザインに重点を置いているのが特徴だ」と解説した。

 韓国のゴルフウエア消費は20-30代が主導している。韓国レジャー産業研究所によると、新型コロナウイルス感染症の拡大以降、ゴルフ人口は515万人となり、2017年に比べ33%増えた。ゴルフウエアの市場規模は昨年時点で5兆1000億ウォン台で、前年よりも約10%成長した。うち20-30代のゴルフウエア消費は全体の22%を占めるとされる。

 骸骨をあしらったロゴに鮮やかなカラーで有名なマーク&ロナも20-30代の若い層に人気だ。マーク&ロナは今年上半期の売り上げが前年同期に比べ68%伸びたことを明らかにした。マーク&ロナの輸入販売元JCファミリーは「差別化されたデザインのおかげで若い層が真っ先に買い求めるゴルフウエアになった」と話した。

 機能中心の米ゴルフウエアブランド「ピン」は今年、日本ブランドと比べると相対的に伸び悩んでいる。韓国のゴルフファッション企業クリースF&Cによると、ピンの今年上半期の売り上げは前年同期比19%増だった。

 日本のゴルフ用品メーカーもゴルフウエア市場への進出を急いでいる。老舗ゴルフクラブメーカーの本間ゴルフは今年、ゴルフウエア事業に本格的に参入した。昨年6月にゴルフウエア市場進出計画を発表したミズノは百貨店への出店を拡大している。ゴルフ業界関係者は「日本のゴルフウエアブランドの躍進は当面続きそうだ」と予想した。

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