【写真】ワシントンの韓国大使館で開催された国会外交委員会国政監査に臨むイ・スヒョク駐米韓国大使。13日(現地時間)撮影。/NEWSIS

 イ・スヒョク駐米韓国大使は13日(現地時間)、米ワシントンの韓国大使館で開催された国会外交統一委員会の国政監査で「クアッドは当分の間は参加国を増やす考えがないことを確認した」と答弁した。これは保守系野党・国民の力の朴振(パク・チン)議員が「韓国政府は米国から、米国・日本・オーストラリア・インドの4カ国連合体『クアッド(Quad)』への参加について公式・非公式に提案を受けたことはあるのか」との質問に答えたもの。イ大使は「韓国がクアッドに参加するかどうかという問題は『餅を与える側の人間は与えるつもりなどないのに(捕らぬたぬきの皮算用に相当)』ということわざが当てはまりそうだ」との見方も示した。

 クアッドはインド・太平洋地域で高まる中国の影響力に対抗する安全保障協力体だ。「中国との競争に集中」をアフガニスタン撤収の大義名分としているバイデン大統領が特に強硬な姿勢を示している。韓国は現時点でクアッドには参加していない。

 イ大使は「米国政府高官からクアッドに関する説明を随時受けている」としながらも「ただしクアッドに入る問題はわが国が希望したから実現するわけではなく、クアッド側との合意が必要な問題だ」と説明した。イ大使は先月、ワシントンで開催されたクアッド首脳会議について「米国から会議の内容について説明を受けた」とした上で「クアッドは(会議で)当分の間は規模を拡大しない方向(で意見交換したこと)を確認した」と述べた。

 朴議員が「韓国は(将来的に)クアッドに参加すべきと考えるか」と質問すると、イ大使は「現時点では技術、気候、公共保健の三つの分野で個別に(クアッドに)参加する必要性があれば参加できると考えている」と答弁した。これは「クアッドそれ自体に参加するよりも、クアッドの外から個別の分野ごとに協力する」という意味で、「中国けん制」というクアッドの性格から「参加問題については中国を意識している」との見方が大勢を占めている。

 イ大使はさらに「韓国のクアッド参加に関する問題は『餅を与える側の人間(クアッド側)はそんなこと考えてもいないのに』ということわざが当てはまりそうだ」「クアッドに参加しようと積極的に関心を示す他の国があることも知っている。しかしクアッドは範囲を広げる考えはないようだ。そのため参加を巡る議論は時期尚早ではないか」との考えも示した。

 これに対して朴議員は「韓国の外交は消極的な考え方から脱皮すべきだ」と指摘し「インド・太平洋時代が本格的に始まろうとしているのに、韓国は今も東北アジア地域から抜け出せない。『餅を与える側の人間はそんなことを考えてもいない』という消極的な考え方から抜け出すべきではないのか」と反論した。朴議員は「もし今後も消極的な姿勢を変えないのであれば、最大の国益を手にするチャンスを逃してしまうだろう」とも指摘した。

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