▲就任4周年の時に「新型コロナ戦争 終わりが見えてきた」と語った文在寅(ムン・ジェイン)大統領。写真=聯合ニュース

 「K防疫」が崩壊しつつある。7日の一日新規感染者は過去最多の7175人。8日も午後11時までの時点で一日新規感染者が6000人を超えている。二日連続の大幅な増加だ。この1カ月間に病床の空きがなくて治療すら受けられずに死亡した人は30人前後に達する。「国民の命が危険にさらされている中、『防疫司令部』である韓国政府は本来の役割を果たしているのか」という批判の声が相次いでいる。

 文在寅(ムン・ジェイン)大統領は8日、「非常に厳しくなっている新型コロナウイルスの感染状況に関連して、特別防疫対策を徹底的に履行することが重要だ」「政府は利用可能な資源を総動員して、防疫状況の安定化に総力を挙げてほしい」と、青瓦台(大統領府)朴ギョン美(パク・ギョンミ)報道官を通じて国民に対するメッセージを送った。自ら表に出るのではなく、報道官を通じて見解を出したのだ。かつて「K防疫」の成果を国内外に知らしめた時に自ら表に出てきたのとはまさに対照的だ。

 新型コロナ感染拡大の勢いは政府の予測を何度も上回り、悪化している。11月初めの2000人台から、その2週間後に3000人台、それから十日後には4000人台、さらにその五日後には5000人台に達した。国会の徐正淑(ソ・ジョンスク)議員室=国民の力所属=が8日、防疫当局から入手した「短期予測値」に関する資料によると、今月末の一日新規感染者は約9000人、来月末には約1万1000人に達する可能性があるという予測が出ているという。当局は先月も、今月末の予測値として約6500人と言っていたが、状況が悪化すると8000人、9000人などとあわてて修正した。嘉泉大学医学部予防医学教室のチョン・ジェフン教授は「来年上半期に一日2万人以上、最悪の場合は8万-10万人にも達する」と警告していた。

 新型コロナ感染者に対する死亡者の割合を意味する死亡率も深刻な状況だ。国際統計サイト「アワー・ワールド・イン・データ(Our World in Data)」によると、7日現在の韓国の新型コロナ死亡率は1.42%で、今年7月の0.1%台から5カ月で14倍上昇した。これは経済協力開発機構(OECD)加盟38カ国中9位、主要7カ国(G7)では米国(2.19%)を除いて最も良くない。世界平均(1.41%)も上回っている。

 まさに防疫の状況は「風前のともしび」だが、防疫の現場は金富謙(キム・ブギョム)首相率いる中央災難(災害)安全対策本部がほとんど担っている。文大統領は政府が重症化率を見誤ったことにより発生した病床不足問題などについても何も言及しなかった。今年7月のワクチン予約システム・エラー問題の時に参謀たちを強くしかったのとは全く違う。

 

キム・アジン記者、金成謨(キム・ソンモ)記者

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