酒に酔った状態でタクシー運転手に暴行を加えた東京オリンピック金メダリストの申在煥(シン・ジェファン)=23、堤川市庁=について、大韓体操協会は体育賞の推薦を取りやめた。

 体操協会は17日、「申在煥選手による暴行事件については体操を愛する全ての方々に心から申し訳ない思いであり謝罪する。選手の不適切な行動に対しては協会もその責任を深く痛感している」とコメントした。

 体操協会はさらに「前日に緊急のスポーツ公正委員会を開催し、申在煥はもちろん選手の管理に責任を持つ監督についても体育賞の推薦を取りやめた」とも明らかにした。

 警察によると、申在煥は今月15日午前1時ごろ、大田市儒城区の都市鉄道駅前でタクシー運転手に暴行を加えた容疑で立件された。

 申在煥は酒に酔った状態でタクシーに乗り、目的地を尋ねた運転手を停車したタクシーの中で理由もなく暴行したという。

 申在煥は今年開催された2020東京オリンピックの跳馬で金メダルを獲得し「ポスト梁鶴善(ヤン・ハクソン)」として期待を集めていた。

 梁鶴善は2012年のロンドン・オリンピック跳馬で金メダルを獲得した。申在煥は梁鶴善に続き韓国代表としては2人目の体操金メダリストだった。

 申在煥は高校時代にヘルニアで手術を受け、体内に鉄の芯を入れるという苦難を克服して世界のトップに上り詰め、多くの人が感動の涙を流した。しかしオリンピック後はパニック障害に苦しんできたという。

 申在煥は今年10月に日本で開催された体操の世界選手権に出場したが、腰の痛みで競技には出場できなかった。先日行われた2022年韓国代表選抜試合でも跳馬で1回演技を行っただけでその後は棄権した。

 体操協会は「今回の事件についてはその深刻さを深く認識し、韓国代表および全ての選手に対して逸脱行動防止に向けた人間性と倫理教育を強化したい」とコメントした。

 体操協会はさらに「申在煥の所属チームと協議し、心理面での安定を取り戻すための対策を模索していきたい」との考えも明らかにした。

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