韓国鑑定評価士協会(鑑評協)と、AIの不動産時価算定サービスを営むスタートアップ企業「ビッグバリュー」も、同様の対立を引き起こしている。「ビッグバリュー」は、AIとビッグデータ分析を基盤として集合・多世帯といった住宅の時価を自動的に算定し、市中の銀行や金融業界に提供している。これを巡って、鑑評協は「鑑定評価業者でもないのに住宅の時価を評価するのは明白な法律違反」だとし、「ビッグバリュー」を刑事告発した。警察の調べに対し「ビッグバリュー」側は「人ではなくAIが行う時価算定は違法行為とは見なせない」と疎明したといわれている。警察は最終的に「ビッグバリューは、韓国政府が特定分野について規制を緩和する規制サンドボックス(新技術実証制度)をパスするなど、当局の適法判断を受けた」として嫌疑なしの処分を下したが、鑑評協は異議を申し立てている。

 

【表】スタートアップ企業VS伝統事業者、対立の事例

■プラットフォームVS職能団体、戦争は続く

 数年にわたって続いている「仲介・広告」スタートアップ企業と伝統事業者間の告訴・告発戦争も、解決策を見いだせておらず、平行線が続いている。美容・医療広告プラットフォーム「江南オンニ」を営むヒーリング・ペーパーのホン・スンイル代表は27日、医療法違反の罪により一審で懲役8カ月、執行猶予2年を言い渡された。「患者をあっせんして手数料の利益を得ることは医療法違反に該当する」というのが有罪の理由だ。「江南オンニ」は、各病院が入店して美容施術・整形の広告を出し、ユーザーが手術前後の写真と後記をアップするアプリ。ユーザー数が300万人に迫るほどの人気を集めたが、大韓医師協会が「誇大広告と違法情報の温床」だとして告発し、裁判にかけられた。

 弁護士と依頼人間の直接コミュニケーションを掲げるプラットフォーム「ロートーク」は、数年にわたって法的な争いを繰り広げている。大韓弁護士協会は「ロートークは弁護士の虚偽・誇大広告によって弁護士法に違反している」と主張したが、韓国の司法当局は3度にわたり「ロートーク」の肩を持った。「不動産仲介手数料半額」を掲げるスタートアップ企業「ダウォン仲介」もまた、公認仲介士協会との対決が続いている。スタートアップ業界の関係者は「スタートアップは史上最大の投資を受けて成長しているが、既存の事業者との衝突もまた深刻なレベル」だとし「プラットフォームと伝統事業者の共生モデルを構築しなければならない時期」だと語った。

チェ・ヨンジン記者

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